「読みやすさって大事ですヨ」
女性誌で編集やって十余年……、すっかり語尾に「」をつけるのが板についたオヤジになってしまいました。今、新人賞とセミナーを担当してます。 新人賞は男性誌と基本的には同じですが、セミナーはデビュー前の新人のスキルアップのためのものです。ほんとに基本的な部分から、もろもろアドバイスしていく感じでしょうか?
どの雑誌も基本的には同じですが、新人は金の卵、次の時代を担う雑誌にとっての新鮮力です。ただデビューしたからといって、アイドルのように一気にスターダムへ……ということはなく、デビュー前と同じ地味な作業に編集との打ち合わせが加わります。
「どんな作品がデビューするのか」よく投稿者に聞かれることなのですが、デビューする新人には一定の特徴があるので、その辺をちょこっと書いておきます。基本的にデビューする作品なので、絵が上手い上に話もしっかりしてることが前提なので、その点は日々精進してください。
1. 最初の見開き2pで主人公のキャラクターがわかる、あるいは作品の世界観がわかる作品が多いです。少なくとも主人公が誰かわからない、8ページくらいに出てくる、というような作品は記憶の限りではデビューしたことないと思います。
2. ネームがコンパクトで読みやすいこと。テンポよく読めるというのは作品にも入りやすく、キャラクターにも感情移入しやすいことなのです。
3. 心理ネームは必要最小限で使うこと。心理ネームには主人公の感情や心情を表す、あるいはある程度の状況を表すものですが、多用するとうざったいので注意を。
4. 変型ゴマは、効果として必要なときのみ使うこと。見せ場で使うことは否定しませんし、使い方が上手い人もいます。でもそうでないと……読みづらいものなのです、意外と……。
という感じです。一言でいうと「読みやすくて分かりやすく描いてね」ということなんですけどね。ちなみにこう言ったことはプロとして仕事をしている方々はみんなそうだったりします。どんなに漫画に対する熱意や心意気があっても、読む人あっての漫画です。その熱意や心意気が読む人に通じて 初めて、描き手の伝えたい事が読者に伝わるのです。
(とういうことで1回目おしまい。2回目は熱意と心意気って感じで考えてます)
【女性誌編集者・O/2004年4月】
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