【質問と解答】
Q:構成力とは具体的になんなんでしょうか?
「この漫画家は構成力がある、ない」の意味が全く分りません。
A:構成力というのは様々なジャンルで使われる言葉で、「いろいろな要素を組み合わせて、意味のある『全体』をつくりあげる力」といったところが大本の意味でしょうか。マンガや小説、映像などで構成力という言葉を使う時は大抵、ストーリーのそれを指します。作者の主題を読者に把握させるべ く、エピソードやシーンを過不足なく効果的に配置し、矛盾や無駄や破綻の ないストーリーが組み立てられている時、「構成力がある」と言います。
エピソードやシーンというのは、読者に与える「情報」です。4W1H、 つまりWHEN(いつ)、WHERE(どこで)、WHO(誰が)、WHAT(何を)、HOW(どうした)という情報です。これは少なすぎればストーリーを理解できなくなったり、 説得力がなくなりますし、多すぎても主題がぼやけます。 たとえば、魅力的な脇役だからといって、その人物にエピソードを費やしすぎると、肝心の主人公のドラマが希薄になってしまいます。アクションが得意だからといって、恋愛ドラマなのにカーチェイスに10Pも費やしてしまったら、なんの話だかわからなくなります。映画とかでも、アクションや特撮はすごかったけれど、観終わってみると、さてどんな話だったのか思い出せなかったり人に説明できなかったりする、そんな映画よくありますよね。
この構成力のあるなしは、ページ数管理にも関わってきます。プロになれば、何ページでもいいからなどという注文はめったにきません。今月は30Pでと か、今週はカラー1Pつきで18Pとか、きっちり決まっています。 無駄なエピソードがあれば、すぐに規定ページに収まりきらなくなったり、 そのために必要なエピソードを描ききれなくなって説得力のない話になってしまいます。また、エピソードの数や順序(配置)を整理し、各シーンが冗長にならないよう制 御する構成力は、ストーリーに読者を飽きさせない起伏のある展開をもたらし、「面白さ」を与える重要な要素です。ですから、構成力を身につけるのは、プロになるための必須条件とも言えるでしょう。
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