【質問と解答】
Q:新人賞など持ち込みOKとありますが、この場合、担当者一人がパラリと読んで、その場で預かるのか、即日返されるのでしょうか? 投稿の場合も一次選考の担当者がパラリで、他の担当者の目に触れず、主観的に駄目出しされ、返却されるのでしょうか?
システム的な事でしょうがない、といえば、しょうがないですが、漫画を描くって、全ての行程を入れると30Pで50日はかかりますよね。パラパラで終わるんですけど、そんなんで投稿してもなかなか返却されないと腹立ちますね。
A:新人賞への応募前提での持ち込みの場合、その場で応対した編集者の批評は賞の一次選考ではなく、原稿を預かって応募受け付けとなるのが普通です。 編集者が1〜2人しかいない編集部では、持ち込みの応対が選考を兼ねることもあるのでしょうが、そういうところはまれです。
新人賞の一次選考は俗に「下読み」と言います。小説などと違ってマンガの場合は早く読めるので、複数の編集者が期間を設けて全応募作を回し読み をして、二次選考に残すかどうか話し合います。私の所属する編集部は30 人以上の大所帯なのですが、下読みには10人以上が参加します。下読みは 基本的に (新しい才能を)「拾っていく」方向で採点しますので、総合力が低くてもどこか一点でも光るところがあれば残していきます。
新人賞やオーディションの選考に関してマンガは、作品評価自体より新人発掘・新人育成をより重視しますから、他のジャンルより投稿者に対して優しいほうなのです。例えば、小説だと投稿作を下読み人数分に分けて各人が当落を決め、回覧などしないのが一般的です。しかも、最初の10Pが面白 くなければ、 その先が読まれることもありません。また、音楽業界ではデモ テープの最初の数秒で没かどうかが決まるとも聞きます。50日どころか、数ヵ月、場合によっ て1年以上かけて作り上げた労作が数分、数秒で没になる のです。プロを目指すということは、それだけシビアな評価の世界に身を投 じることだと知っておいてください。
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