【質問と解答】

Q: 2、3年ほど前、A社(仮に)に投稿したのですが、とても評価がよく、そこで担当の編集さんについていただき、ネーム、プロットのやり取りをして おりました。そこでは2年ほど見ていただいたのですが、途中、電話のやりとりからメールへと変わり、私が勝手にスランプに陥ってしまいました。 作品を完成させてその編集さんのもとへ持ち込んだのですが、ことごとく酷評されました。プロットから見ていただいたのに何故…? とその時は思ったですが、今では、その時の私は方向性を間違っており、努力も怠っていたと自覚しております。
 それから色々考え、今の投稿先であるB社に持ち込み、 デビュー手前の賞をとって担当の方についていただくことになりました。私も自分の作品の方向性を考えると、ここが最後の投稿先だと決めております。とはいえ、確かに辛かったけれど、あの時A社に持ち込んであそこまで言っていただかなければ今の自分はありませんでした。おかげでだいぶ絵も変わり、少しながら成長することができました。
 違う雑誌に投稿先を変えるとき、前の担当の編集さんに一言挨拶とことわりをいれるべきでしょうか?  私のことを単にお仕事としてみていたのかもしれないし、嫌いになって見放された(かもしれない)相手にそのようなお手紙をもらって気味悪がられないか心配で…。しかも、一年以上も前のことで、悩んでいるうちタイミングもずれてしまいました。お手紙、メール、どちらの方がよろしいでしょうか。連絡するにしろ、今の投稿先は伝えないつもりです(ものすごくメジャーなライバル誌なので…)。
 今の編集さんに相談してみようと考えましたが、今後のお付き合いのことを考えると、少し怖くて…。


A:漫画家と編集者も人間ですから、互いの能力だけではなく、相性やタイミングの問題もあり、気持ちのすれ違いが起こることがあります。また、編集者は個人的にはその作家に期待していても、雑誌に対する適性(編集部が狙う読者層の嗜好に合わないとか)と雑誌の中での位置づけ(似た資質の人気作家がすでにいて早期のデビューが見込めないとか)を考えて、作家の将来のためにもあえて厳しい現実を突きつけたり、他の雑誌への転向を勧めたりすることもあります。ですが、それは必ずしも担当編集者の本意でないことも多いのです。編集者にとって自分が担当している新人はかわいいものです。他誌であっても、うまくやっているなら、喜ばしいことなのです。かつて担当した新人から手紙でもメールでももらえれば、私ならうれしいですね。できれば、事務的にみえるメールより手紙のほうが気持ちが伝わると思いますよ。


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