【質問と解答】

Q:よく、漫画によって言葉の使い方とか、文法とか変というより間違ってると思えるものがありますが、台詞とかって編集の方はノータッチなんで すか? そのうち漫画のせいで学力低下してるとか言われる気がします…。そして言い返せない…。ってか合ってる気さえ…。 

A:もちろん、担当編集者と校了担当者(編集長もしくはデスク)が チェックをしますし、大手出版社では校閲部のチェックがあります。しかし、ナレーションなどの地の文はともかくとして、会話の台詞は作家の感性や作品世 界の風俗を重視して、あえて文法通りに訂正しないことがあります。校正に関しては、作品の作風やジャンルによっても判断の基準は異なります。ビジネス物と不良物、シリアス物とギャグ物とを同 じ言葉遣い、同じ文法の校正基準で統一することには無理があります。 正しい文法、正しい言葉遣いで仲間としゃべる不良はリアリティがあるでしょうか。また、言葉を本来の用法や文脈にとらわれず、リズムや語呂、ノリといった感性で用いて笑いに結びつける文化は古来よりあり、現代のギャグ漫画もそれを継承しているとも言えましょう。漫画を含めてサブカルチャーとは、大衆と共に変容し、また彼らをリードしていく文化です。編集者は、語句の明らかな誤用や文意がくみ取れない文章は著者に断ったうえで訂正すべきですが、リアリズムを出すための言い回しや作家のセンスの発露からくる言葉遊びは大切にすべきだと考えます。


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