【質問と解答】

Q:漫画がアニメ化、ドラマ化などの時「あの声優がいい、こんな主題歌がいい、あの俳優を使いたい」など作者本人の希望は叶えてもらえるのですか? それとも、アニメやドラマはまた別物で口出しはできないのですか? 

A:基本的に原作者の意向は尊重されます。ただし、アニメ制作、ドラマ制作にも予算とタイムスケジュールがあります。極端な話、有名なアーティストに高額のギャラを払って主題歌を作ってもらっても、予算が残り少なくなって作画はボロボロ、声優は新人ばかりのアニメでは仕方がないでしょう? また、ドラマで自分の理想のキャスティングを求めても、肝心の俳優たちのスケジュールが合わせられるのが1年先では放映の時機を逸してしまうということもあります。もちろん、自分の意向が容れられなかった場合、アニメ化やドラマ化を許諾しないという選択肢もありますし、それは原作者の権利です。しかし、映像化は単行本や雑誌の売り上げを伸ばす契機ですから、制作サイドと互いに歩み寄って予算や予定制作期間内でのベターな選択をしていくのが普通です。
 ちなみに、映像化で質の高い作品を求めるならば、制作スタッフを信じていっさい口出しをしないか、逆に口出しをするならばとことん頭を突っ込むことだといいます。週刊連載をしていると後者は事実上不可能で、デザインや設定やシナリオのチェックはしても途中であれこれ口を出さないようです。ただし、制作前に監督やプロデューサーとともにイメージのすりあわせをしておくことは大切です。自分の要望を伝えることで、原作者の持っている曲やキャストのイメージを制作サイドに伝えることができます。その結果、要望がそのまま通ることもありますし、そのイメージに合わせた代案を提示されたり、先方がイメージした案を提示されて納得する場合もあるでしょう。いずれにせよ、作品イメージのすりあわせさえできていれば、最終的には映像のプロに委ねたほうがいい結果を生むと思います。


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