【質問と解答】
Q:私は、現在雑誌掲載から連載に向けての原稿を執筆中です。実は一年くらい前からこの企画はあがっていて、担当さんと二人三脚で頑張っていたのですが、なかなか会議に通らないらしく、連載はおろか、掲載の目処もたっていない状況です。担当さんは原稿をしばらく預けてくれと言って頑張ってくれているので信じたいのですが、このまま待っていてもいいのでしょうか? 他に持ち込んだりしてチャレンジするべきでしょうか?
A:難しい質問です。編集会議で具体的にどのような作品評価を受けたかや、編集部内でのあなたの作家評価(雑誌内でのあなたの位置づけ)次第だからです。編集部にはあなたと同じように連載に向けて頑張っている漫画家が新人、ベテランを含め何人も(メジャー誌なら何十人も)います。編集会議では、編集部員が議論を戦わせた上で採決をとりますが、最終的には編集長が決定します。編集部員全員がこの作品はヒット間違いなしと全員一致で連載が決まれば話は早いのですが、新人漫画家の場合、部員全員の支持を得るほど突出した連載用ネームが会議に提出されるのは私も見たことがありません。限られた連載枠ですから、おのずと相対評価で掲載が決まることになります。連載レベルの作品であっても、他にそれより優れていると判断された作品があれば枠から外れるということです。会議の席ではそれぞれの作品の長所・短所について個々の編集部員が評価の根拠を示しつつ議論を戦わせます。それぞれの作品担当は皆、自分の作品に絶対の自信を持って会議に臨んでいるわけですから、採決の結果が拮抗した場合は引き下がることはありません。そうすると、最終的には編集長判断となります。作品評価だけではなく、将来を考えてどの作品が雑誌にとって有益か否か、あるいは極端な話編集長の好みで決まります。編集長は雑誌の結果に責任を負うため、雑誌の方針を決める権限と権利があるのです。そのような連載に向けての流れの中で、あなたの企画がどのような位置にあるのか、担当編集者によく聞いてみてください。そこで、担当の言葉と態度から、担当としての思い入れが空回りしているのか、ネーム修正ごとに部内の評価が上がっているのか、連載枠の空き待ちなのかを見定めましょう。連載枠の空き待ちならば、原稿を預けて待っていてもいいのですが、そうでないならば新規企画を起こすなり他誌に持ち込むなりして動くべきです。
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