【質問と解答】
Q:1)新連載が掲載されるまでの編集部での流れが知りたいです。一体どういう風にどの作家を起用するかがどうやって決まるのかが疑問に思ったので。
2)芸能界やラジオ局など、不透明な部分が多い世界は使わないほうがいいで
しょうか。それとも、調べようのない部分は創作でいいのでしょうか。
A:1)編集部によって千差万別です。小さな編集部では、各編集者が手持ちの作家(新人、中堅、他誌作家)とともに連載企画を練り上げ、編集長に企画書とキャラクターデザイン、数本分のネーム、場合によってはイメージボードや作画見本を提出します。
新人の場合は、新人賞受賞時にすでに完成度された一部の例外的な作家を除き、読み切りを数本経験してから連載企画にチャレンジしてもらいます。新人が読み切りを卒業して連載企画に臨む時期の判断は、各担当編集者が行う場合と、編集長による指名の場合があります。後者の場合は、編集長から指名されるまで、連載のチャンスは訪れません。
企画書ほかを提出して編集長からOKが出れば、連載決定です。その際、編集長からネームやキャラクターの修正を求められることもありますが、3ヵ月〜半年後に連載開始として動き始めます。初連載では週刊誌だと最低完成原稿3本分、月刊誌だと原稿1本分を開始時までに用意するスケジュールで進行します。ネームの先行、舞台設定、取材、仕事場とアシスタントの確保と、やることはたくさんあり、3ヵ月はすぐ経ちます。OKが出ない場合には、完全な没と、問題点を修正しての再提出の場合があります。前者の場合は一から連載企画を練らなければなりませんが、後者の場合でも再提出を繰り返した挙げ句に没となるケースも珍しくありません。
大きな編集部でも、流れはあまり変わりませんが、企画の検討はまず連載企画会議(編集部によって名称は異なります)で行われます。1〜3ヵ月に一度くらいの割合で開催され、あらかじめ回覧しておいた連載企画を編集部全員で論じます。議論が出尽くしたところで、採決をとりますが、最終的に判断を下すのは編集長です。また、会議ではだいたい10本前後の企画が提出されますが、毎回連載採用があるわけではありません。どれも連載レベルに達していないとの決が出れば、全部没になります。
編集部主導型の企画の場合は少し異なります。メディアミックス企画やタイアップ企画などです。これはまず企画ありきなので、コンペ形式で連載を獲得します。編集長の指名および、担当編集者の推薦により、数名の執筆作家の候補が決まります。候補の作家はキャラクターデザインと1〜3話分のネームを担当編集者とともに作り、期限までに提出します(期限に間に合わなければ、脱落です)。集まった執筆作家候補のキャラクター表とネームを編集部とメディアミックス相手やタイアップ先とで検討し、連載作家が決定します。
2)自分の知らない世界を舞台に作品を描いても、もちろんかまいません。直接その世界に接していなくとも、映画やドラマ、漫画や小説や、テレビのドキュメンタリー番組、本、インターネットなど参考資料になるものはたくさんあるはずです。
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