【質問と解答】

Q:先日投稿回数が10回は多いと答えていました。だとすると、投稿規定回数というものが存在するのでしょうか…?

A:漫画賞の投稿に回数制限のようなものはありません。ご指摘の内容は、「プロで活躍している人の中で、友人のように何度も落選したことがある人はいますか?」という問いに対する回答として、投稿を始めて一度も入選経験もなく10回以上落選を重ねて(その雑誌で)プロとして活躍している例は少ないというニュアンスでお答えしたものです。漫画賞自体に投稿回数の制限があるわけではありません。20年以上新人賞(月例のもの、年2回のものを含む)を下読みから見てきた編集者の経験を述べたまでです。

 私のいた雑誌では、デビューしてその後もその雑誌で活躍しているプロの方のほとんどは、投稿し始めて3回以内に何らかの賞に入っています。もちろん、上位の賞とは限らず、奨励賞などといった最下位の賞であることも多いです。また、2度目の投稿から数度の落選を重ねることもあります。しかし、一度も受賞することなく10回落選を重ねて、その雑誌でレギュラー作家になった例はありませんでした(ひとつには、落選し続けながら10回以上投稿をし続ける方が少ないこともあるわけですが)。

 勘違いしないで欲しいのですが、10回落選し続けたからといってプロになる資質がないと言っているわけではありません。投稿する雑誌を見直したほうがいいのではないかということです。新人賞は単に投稿作品の優劣を決めるのが目的ではなく、雑誌にとって有望な新人発掘を目的としています。総合力が低くても、絵でもキャラクターでも編集部としてひとつでも評価できるポイントがあれば、何らかの賞を出します。逆に総合評価がある程度のレベルの作品であっても、その雑誌での将来性がないと判断されれば入賞できません。10回投稿しても一度も入賞できないということは、その雑誌に必要とされていないのではないでしょうか。しかし、あくまで「その雑誌に」であって、別の雑誌ではあなたの資質が必要とされるかもしれません。無駄な投稿を繰り返して、チャンスを逃さないため、そのあたりの見極めをすべきだと考えます。


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