【質問と解答】

Q:1)投稿しようと考えている雑誌に、ページ数の規定というのがありません。こういった場合、ページ数の量は多いか少ないかで選考基準にどう影響してくるのですか? また、理想のページ数なども存在するのでしょうか?
 2)選考基準として、画力と構成力は公平に見られるのですか?


A:1)新人賞の作品評価に際しては、作品内容に合ったページ数であるかどうかも重視されます。30Pで描くべき内容で50P作品になっていると構成力不足ということですし、40Pで描くべき内容が30P作品になっているとエピソード不足かコマ割りが細かすぎて読みづらいかどちらかということになります。つまり、ページ数制限を設けていない賞は、ページ数そのものよりも、そのページ数に合った内容でありどうかが重要なのです。
 とはいえ、ページ数が選考にまったく関係しないかというと、そうでもありません。新人賞の多くは大賞やそれに次ぐ賞の受賞作を結果発表の号で掲載することになっています。しかしながら、雑誌の編成は選考の前からだいたい決まっています。受賞作の発表ページはだいたい30〜40Pを予定して仮編成が組まれています。従って、仮に同レベルの大賞候補として30Pの作品Aと100Pの作品Bが争ったとすると、大抵は作品Aが大賞受賞することになります。ですから、新人賞で大賞を狙うとするならば、30P以内というのが「理想のページ数」でしょう。雑誌の編成の都合に合わせた選考なんておかしいと考える方もいるでしょうが、あながちそうでもないのです。雑誌において新人の読み切り掲載枠は24〜40Pくらいです。デビューしても、そのページの読み切りで人気を勝ち取っていかないと連載にこぎつけることはできません。応募作で30Pの読み切りを面白く構成できることを示した作品Aの作者のほうが将来性があると判断されるということなのです。もちろん、100Pというページ数でしか描けない作品もあるでしょうし、作品Bのほうが雑誌が求めている方向性に合致していれば分割掲載してでも大賞に選ぶ場合もありえます。
 結局のところ、ページ数が選考にまったく影響しないわけではありませんが、賞のランクがひとつふたつ違っても、プロの漫画家への道のりという長い目で見ると些末なことです。デビュー後はあらかじめ決められたページ内でストーリーをまとめることが要求されますが、投稿の段階では選考対策でページを決めるより、まずは今の自分の持てる力を出し切れる内容と、それに見合ったページ数で作品を描くことです。

 2)質問の内容は、選考において画力と構成力のウェイトが同じかどうか、ということでしょうか? 選考基準としては画力の比重のほうが大きいです。商業誌の場合、掲載に際して一定の画力は必要条件として要求されます。読者に対して直接的にアピールする力はやはり「絵」だからです。絵に魅力がなければ、どんなに話が良くても手にとってもらえません。従って、作品評価においては、画力と絵柄がもっとも重視されます。


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