【質問と解答】
Q:1)東京に住んでる方は校了の日、直しが出てもすぐ直せますが、遠くに住んでる方も直しが入った時は原稿が送られて直すんですか? それになぜ直しが入ったりするのですか?
2)扉絵のラフがボツになるのは、他の作家とかぶったりしているからボツになったりするのですか?
3)雑誌のモデルを見てそのまま描くのはトレスになりますが、少し手の位置を変えたらトレスにはならないのですか?(服もベルトの部分をちょこっと変えるだけ)
4)担当さんにファックスする時、私はブルーで描きたいのですが、やはりブルーは写らなくしぶしぶシャーペンで描いているのですが、それでも遠くに住んでいる漫画家さんのブログでブルーでペン入れしている方がいらっしゃったのですが、もしかしてそういう方はファックスではなく郵便で送ってオッケーをもらっているのですか?
A:1)連載漫画の原稿に直しが入るケースには、次のようなものがあります。
・表現が過激すぎる場合──性表現や暴力・残酷描写などに関するもので、性器や性交シーンの露骨な描写や内臓露出や人体断面の詳細な描写などがこれに当たります。
・権利関係(著作権、肖像権、意匠権など)に抵触する場合──雑誌や写真集、絵画のトレース(芸術性のあるものは構図の模写でもNGの場合があります)や、実在の店舗や民間の建築物をそのまま作中で使用していたりするケースです。
・作画上の見落としや技術上の修正の場合──作画上の見落としとは、右手と左手を間違えたり、服の柄が変わっていたり、傷の位置が左右逆になっていたり、そこにいないはずの人物がコマの端に描かれていたりなどです。技術上の修正はほとんど新人に限られますが、デッサンの狂いによる描き直しや背景処理の変更などです。
印刷までに時間があれば、原稿を送り返して修正してもらいますが、時間がないときは3つめのケースはスルーして単行本化の時に修正してもらいます。しかし、前の2つのケースはそのまま掲載すると大事になりますので、作家に上京してもらって出版社で修正作業をしてもらうか、製版による修正(モザイク、白黒反転、絵柄を白く飛ばす等)をかけます。それでも対応できないケースは、最悪掲載を見合わせることになります。
2)扉絵のラフを没にするのは、単に構図がよくないか、権利関係に抵触しているかのどちらかです。
3)トレースという行為には変わりありません。手の位置を変えたとしても、それ以外の部位はトレースしているわけですから。
4)「ブルーでペン入れ」というのは「ブルーでネームもしくは下絵を入れている」ということでしょうか。
青鉛筆などで描いたネームや下絵は、そのままファックスで送らず、濃度を濃くしてコピーしたものを送ってください。若干薄いでしょうが、黒鉛筆のコピーと同じように送れます。台詞が薄いようでしたら、コピーの上からミリペンなどでなぞってから送るといいでしょう。パソコン環境がある方でしたら、スキャナーでカラースキャンしてJPEG画像をメールで送るという手もあります。
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