【質問と解答】
Q:1)先月から担当者がついたので、さっそくプロットを拝見していただきました。2日後にアドバイスメールをいただき、そのメールの内容ではアドバイスと共に「この段階でネームを切ってOK」と書いてありました。なので、いただいたアドバイスを踏まえて物語の構成をもう少しよく考え直してから、ネームを書こうと思っていました。しかし、考えていくうちに、今まで書いていた物語の流れよりも、こういう物語の流れのほうが良いのではないか?と思いついてしまったのです。しかも、その物語の流れに、せっかくいただいたアドバイスがどこにも生かされていないのです…。このままネームを書くのもマズイと思ったので、その(物語の流れが変わってしまった)ことをメールしました。そうすると、「まとまってきて読みやすくなりました、ネームきってOKですよ」と言ってくださったので、ネームを書こうと思ったら、またさらに新しく物語の流れがでてきてしまったのです。…結局、いままで担当者が知っていた内容とは違った内容のネームが完成してしまい、やはりアドバイスは生かされていないのです。
こういう場合、担当としてはあまり気分の良いものではないのでしょうか…? 上記のようなネームが完成してしまいました、とメールをしてから6日たちましたがお返事がありません。やはりきちんと謝罪をして、担当者からアドバイスを頂いた、最初に考えていた担当者も知っている物語の流れでネームを書きなおすべきでしょうか…?
2)私は漫画の専門学校に行こうと思っていたのですが、行く前に担当者がつきました。その担当者は、私が漫画の専門学校へ行くと聞いた時、あまり良い顔をしていなかったように感じたのです。…なにかマズイことでもあるのでしょうか? 気のせいだったらもちろんそれが一番ですが、不安でなりません…。
A:1)6日返事がない程度でしたら、メールを返せないほど忙しい時期なのかもしれません。もう少し待ってもいいかと思いますが、心配なら問い合わせのメールを入れてみましょう。相手の心情が不明なうちから謝るのは考えものです。
ただ、それは別として、打ち合わせをしてプロットにOKが出たにもかかわらず、担当編集者に相談無しにまったく異なるネームを切るのは感心しません。私が以前担当していた新人さんで、連載企画を進めていた方がいました。最初に出てきたネームは粗削りながら魅力的で、そのままブラッシュアップしていけば半年以内には連載に持ち込めるだろうと期待していたのですが、毎回打ち合わせのたびに前回の打ち合わせとは異なるネームを持ってくるのです。打ち合わせの時には納得して帰って行くのですが、次にはまた違うネームを持ってくるというのを繰り返し、1年間にのべ数百ページのネームを切ったにもかかわらず足踏み状態で、結局本人のほうからギブアップ宣言が出てしまいました。その後、同企画を他誌に持ち込んだそうですが、やはり同じ状況だったらしく、ものにならなかったようです。一度練り込んで作り、他者(担当)からも良いと評価されたものを、当座の思いつきで途中で方向性を変えても無理が出ることが多いです。時間をおいて冷静に見ればわかることでも、熱くなっている時は視野が狭くなっているものです。もちろん、改変がいい方向に働くこともないとはいえませんが、そこを客観的に判断してもらうために担当がついています。思いつきで動く前に他者の意見を聞いてみることも大切です。
2)あなたの作品を拝見しているわけではないので断言はできませんが、担当がつくレベルに達していれば専門学校に行く必要はないと思われます。ネーム力は、担当とマンツーマンでやりとりするほうが磨かれますし、画力はプロの仕事場にアシスタントに行くほうがより実践的でペース配分やスピードも身につきます。漫画専門学校の講義を受けるよりも、1本でも多く自分の作品を創ることに時間を割くべき段階だと言いたいのではないでしょうか。
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