【質問と解答】

Q:私は2年前、初投稿でデビューの一つ前の賞を受賞しました。それがきっかけで担当編集者がついてくださったのですが、それから投稿できたのはたった1作品で、あっと言う間に2年がたち、担当さんとは音信不通になってしまいました。私自身夢を諦めたくないので、もう一度他の雑誌で一から投稿をはじめようと思い、つい先日投稿いたしました(結果発表はまだなのですが…)。
 ふと考えてみると、初投稿の作品のみが偶然そこそこの話で、且つ若かったから将来性が見込まれて受賞させてもらい、実際に担当がついてみたところ、そんなに才能のない人だった…と期待を裏切ってしまった為、こんなふうな扱いになってしまったのかと不安になります。一度良い賞がもらえたからといって、それ相応の漫画の技術があるというわけではないのだと思い知らされ た気がします。担当がついたからにはデビューできる!とすっかり浮かれていた自分に嫌悪感を抱きます。
 いったい、賞はどのように決定しているのですか? やはり年齢が大きくみられるのですか?(今はもう若くもないですが…) あと担当編集者は、どのようにして投稿者につくのですか? 立候補制と いう噂を聞いたのですが、だったら何故音信不通になってしまったのか…と思ってしまいます。

A:文面だけでは状況がよくわからないのですが、「音信不通」というのはネームを送っても返事がないということでしょうか? ネームの直しは早めに行っていましたか? 担当から連絡があっても、常にそれを確実に受け取れる状 態にありましたか? あなたから連絡は取ってみましたか? 担当が知らぬ間に異動になったりはしていませんか? 
 新人賞は、[作品に対する絶対評価]+[その回での相対評価]+[将来性]+ [雑誌への適性]によって賞が決まります。年齢が若いことは、将来性を勘案する際の要素の一つです。また、初投稿だと、次回作への期待をプラスして採点されます。反面、二度目の投稿では前作を超える作品を求められます。同レベル以下だとマイナス評価で、それが続くと編集部内の作家評価が下がっていきます。投稿者への担当は立候補が基本です。ですから、担当編集者は編集部内でその投稿者を一番高く評価している人間というわけですね。
 編集者はたくさんの新人を抱えていますので、レスポンスが悪かったり、連絡の取りづらい新人はどんどん後回しになっていき、それが重なると忘れてし まいます。毎号の編集業務、単行本作業、営業・広告の打ち合わせ等の通常業 務のほか、連載作家やその他のプロ漫画家とのつきあいがあったり、新規企画の立ち上げ準備などをする中で新人とネームのやりとりをしているわけです。新人育成は大切な仕事の一つなのですが、目の前に急ぎの送稿作業や校了作業があれば、ついつい後回しになってしまいます。しかも、担当する新人は多いと年間10人以上増えていきます。当然、目の行き届かない新人も出てきます。ですから、連載作家の他にネームを送ったら、ただ待っているだけではなく、返事がなければ積極的にこちらから連絡をとるなりして食らいついていきましょう。


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