【質問と解答】

Q:1)印税は売上の10%を漫画家が貰えるのが一般的ですが、残り90%の内訳はどうなっているのですか?

 2)少女漫画なんですが、タイトルのネーミングには何か暗黙の決まりみたい な、定義のようなものはありますか? 英文だと良くないとか、長すぎるといけないとか…。

A:1)まず、勘違いを訂正しておきます。印税には売上印税と発行印税(買取印税)がありますが、漫画の単行本(コミックス)の場合は印税は売り上げから算出する売上印税ものではなく、発行部数から算出する発行印税(買取印 税)です。印税の算出方法は、「定価×発行部数×印税率」となります。どういうことかというと、何十%の返本があろうと売り上げに関わりなく著者には 発行部数分の印税が支払われるということです。
 単行本の定価の内訳ですが、タイトルや条件によって若干の数字の変動がありますので、ごくおおざっぱに挙げておきます。まず、著者の印税が10%(印税率も一律ではありません)、原価(紙代、製版代、印刷代、デザイン料、版下制作費、編集経費等)が約30%、取次マージンが通常8%、書店マージンが 大体20〜22%、残り約30%が出版社(版元)の粗利(売上総利益)となります。粗利の数字が出版社の純利益というわけでなく、それから宣伝費や管理費、営業経費等を差し引き、さらに返本リスクをここで吸収しなくてはならな いわけです。一般コミックスを含むほとんどの出版物は委託販売制(返本制度)の対象ですから、ベストセラー単行本であっても、返本率が一定以上にな ると版元が赤字になることもあるわけです。

 2)別に暗黙の決まりなどというものはありません。あるとすれば、各編集部単位であるところもあるのかもしれません。
 暗黙の決まりなどというものではありませんが、一般的な指標のようなものはあります。対象年齢が低い雑誌ではアルファベット表記タイトルは読者に読めないので避けます。カナ表記であってもあまり聞き慣れない外国語のタイトルだと、内容がわからないのでお勧めはできません。対象読者にかかわらず、タイトルは「覚えやすい」「作品内容を容易に想像させる」「目を惹く単語を含む」というのが基本です。ただ、例外はいくつもあります。たとえば、『バガボンド』は聞き慣れない単語ですが、時代ものに外国語タイトルという意外性と語感の面白さでいいタイトルになっています。


その他のご質問は、フォームからお願いします。