【質問と解答】

Q:とある少年雑誌で連載されていた漫画の扉が、ある雑誌に載っているモデルさんのポーズも服も背景も同じ形でトレスしているのを4つほど見つけてしまいました。雑誌はスーパーなどでも置いてある無料の家具や服のカタログなのですが、もちろん有料雑誌などのトレスは禁止されていますが、こうゆう無料で配られている雑誌に載っているモデルさんをトレスしても大丈夫なのですか? 僕はもちろんトレス行為をバラすつもりは全くないですが、もし言ったらその先生はどうなるんですか?

A:まず、掲載誌の有料・無料を問わず著作権は存在しますので、作画の参考にする程度ならともかく著作物の明らかなトレスは違法行為になります。ただし、違法行為が即「犯罪」とされるわけではありません。著作権法には「告訴がなければ公訴は提起できない」という条文があります。つまり、著作権侵害を受けた当時者(著作権者)自身が告訴しない限り、違法行為ではあっても罪に問われることはありません。著作権者が、このくらいならまあ目くじらを立てることもないかと判断すれば、見逃してもらえるわけです。同人誌などの二次創作物が即犯罪行為とされないのも、この著作権侵害の罰則が「親告罪」であるからです。従って、この問題については当事者の判断と両者の話し合いによって解決すべきことで、第三者が横から口を出すことではないと思いますが、その漫画家のためを思うならば、漫画家当人に手紙を出して注意を促すのがいいでしょう。なお、著作権侵害が親告罪とされているのは現時点においてであり、非親告罪化の審議が度々されており、将来はどうなるかわかりません。


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