【質問と解答】

Q:インクが原稿用紙で滲んでしまいます。滲むというのは、つけペンで強弱を付けた時に多くインクがのった部分がやや滲んでしまう状態です。また、真っ黒にならず、徐々に染みこんで色が薄くなってしまいます。デリーターB4の135kgを使っていて、インクは2〜3種類(IC漫画インクとPILOT製図・証券)試しましたがどれも同じ結果であるため、用紙がいけないのか と思います。また、同じデリーターでもA4サイズ(かなり昔のですが)は滲みませんでした。新しいはずなのに、気づかないうちに手の油でもついてしまったのでしょうか。手袋をして原稿を扱う方が多いのですが、手の油ってそれほど気にするべきものなのでしょうか。それとも油の付着の有無の関わらず、漫画の原稿用紙はペン先がひっかかるほど力強い強弱には耐えられないものなのですか?? まだあまり作画経験がなく、各社の用紙を試すお金もないので困っ ています。大きなコマなどで見る太く迫力のある線は、何度もなぞって描かれているのですか??

A:よほど脂性で困っている方でない限り、作画中に手袋をするほど神経質にならなくてもいいと思います。プロの仕事場でも(私は男性作家の仕事場しか知りませんが)、手袋をしている方は見かけたことはほとんどありません。
 滲みについては、同じメーカー品でもロットやサイズによって紙の質が変わっているとも考えられます。また、ペン先によっても描き味が違ってきます。原稿用紙もペン先も、しっくりしないと感じているなら、様々なメーカー品を実際に試してみるしかありません。金銭的に大変ならば、漫画仲間に声をかけて共同購入するのも手です。また、作画している部屋や原稿用紙の保管場所の湿度も滲みの原因となりますので、それも調べてみてください。
 太くて強弱のある線については、Gペンを使います。もともとGペンは細い線から太い線まで描き分けられるペン先ですが、使い込めばペン先が広がって極太の線向きになります。線を何度もなぞって描く重ね描きも良く使用されるテクニックです。この重ね描きを多用して、本来細い線専用とされる丸ペンですべての線を描くプロの方もいます。


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