【質問と解答】

Q:女性誌に投稿中の女性です。担当さんに、もう一社掛け持ちで投稿を始めたい旨を、正直に伝えるべきかどうかで悩んでいます。初投稿から半年で担当がつき、それから約1年半、その方と一緒に作品づくりをしています。担当さんは基本的に返事は一両日中。指導は丁寧で的確。自宅から電話して相談に乗ってくれることもあります。そのおかげで、1年半の間に描いた作品はすべて上位入賞。賞金もいただいています。間違いなく担当さんの力量が影響してます。でも、どうしても「デビュー一歩手前」から抜け出せません。デビューできないのは私の力不足です。でもここまで来ると、雑誌(編集部)の求めるものと、私の作品に、ズレがあるような気がしてなりません。まだ投稿の経験はないのですが、私には自分の感性に一番近いと感じる雑誌があります。これまでどおり、担当さんと一緒に今の雑誌でビューを目指しつつ、そちらの雑誌にも投稿を始めたい。そしてそれを担当さんにも知っていただいた上で、これまでどおりの良好な関係を維持したいのです。こっそり掛け持ち投稿したくないんです。なぜなら(遠い夢かもしれませんが)私はどちらの雑誌でもデビューしたいんです。
 読み切りの掲載枠は大変厳しく、毎回コンペで何十人もの新人が泣いているそうです。そういう、デビュー後の方が苦しいということも、担当さんが話してくださいました。なので、掛け持ち投稿したいという、こちらの気持ちも分かって欲しいのです。でもそれはやはり虫のいい話でしょうか? ずっと指導してきた投稿者が、別の雑誌にも投稿を始めたとなると、やはり編集者としてはいい気はしませんか? 人による、と言えばそれまでですが、個人的な考えでもいいのでご意見いただければ嬉しいです。

A:担当している投稿者が別の雑誌に投稿するというのは、編集者としては当然いい気はしませんよ。通常の雑誌や単行本の編集業務の合間を縫って投稿者を指導するというのは大変な労力なわけです。それを惜しまないのも、自分のところの雑誌で連載を持たせたいが故です。なのに他誌との掛け持ちをされているとなれば、それで関係が絶たれることはまずありませんし、大人の社会人ですから表面上は態度を大きく変えることはないでしょうが(中には大人げない編集者の話も聞きますが)、正直なところ指導のモチベーションが下がることは避けられないと思います。複数の雑誌に投稿するのはあなたの自由ですし、それを担当さんに伝えればあなたの気持ちは楽になるでしょうが、まずその前に雑誌の求めるものと自分の作品にズレがあるのではないかという懸念と、デビュー後の不安について担当さんととことん話し合ってみましょう。質問文を読む限りでは面倒見のいい担当さんのようですので、親身に相談に乗ってくれると思います。その流れの中で、他誌への投稿の意志を切り出すタイミ ングを計ってはいかがでしょうか。


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