【質問と解答】

Q:1)自分は漫画家を目指している高校生です。しかし、自分に集中力が無さすぎて困っています。ペン入れやトーン貼りなどの仕上げ作業をしているときは割と持続するのですが、下描きをしている段階では全くもちません。何コマか描いた後に気付いたら全然別のことを考えていたり、人物の動きに納得がいかず何度も描き直ししていたら何だかやる気が無くなってしまったりします。形ができあがっているものを仕上げるのはいいけど、白紙 に一から描き込む作業ができないのは絵の練習をするときに模写ばかりしていたからだと思うのですが……。ダメもとと言ったら失礼ですが、何か集中力を養う良い方法なんてあるのでしょうか? 

 2)プロの漫画家さんは1日に大体どれ位の時間机に向かっているものなのでしょうか?

A:1)確かにダメもとですね(笑)。これをやれば誰でも絶対集中力が上がるなどという便利なものは(たぶん)ありません。集中力向上法としていろいろな本も出ていますが、ダイエット法と同じで誰にでも効果がある方法というものではないと思います。プロの作家の皆さんがとっているのは大抵、集中力を妨げる要素を排除するという間接的な手段です。以下にそれらの方法を挙げておきます。

・周囲の雑音が気になるようなら、それを打ち消す環境音やBGMを流す。リラックスが目的ではないので、人によってはテンションが高まるハードロックやヘヴィメタルをガンガン鳴らしながら作業する方もいます。家族と同居していたり防音対策が講じられていないアパート・マンションなどではスピーカーをあまり鳴らせないので、ヘッドホンやイヤホンを使います。周囲の音の遮音性も高いので一石二鳥ですが、長時間使用しても疲れないよう、高品質のものを使う必要があります。
・自分の部屋だとついつい漫画を手に取ったり、ネットを見たりするような人は、ファミレスや図書館、レンタルルームなどで作業します。ネームならともかく下絵は、原稿が汚れる心配や店内(館内)での作業をとがめられることもありますので、レンタルルームが望ましいのですが、学生だと料金がきついでしょうね。
・筋肉のこりや脳の働きが鈍くなって作業効率が落ちてきたら、軽いストレッチをしたり体を伸ばして深呼吸をしたりします。また、脳の疲労には糖分の補給が有効です。

 あと、集中力を保つ手段として考えられるのが、短期的な目標設定です。何 時間の間に何ページ下絵を仕上げるというノルマを設定したり、何コマ下絵を 終えたら5分休憩とか作業にメリハリをつけることです。
 人によって有効な手段とそうでない手段があると思いますが、自分の状況に 合わせて有効と思われるものを試してみてください。

 2)人にもよりますが8〜10時間くらいでしょうか。締め切り直前だと20時間 くらい机に向かっている方もいます。


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