【質問と解答】

Q:初歩的で根本的だとは思いますが、質問させてください。どうすれば絵はうまくなりますか。どうすれば漫画を描けるようになるのでしょう。昔から誰に教わるでもなく絵を描いてきた軌跡が"ちょっと絵が得意"にさせ、漫画家志望にさせたのであり、デッサンや模写、とにかく描くことが全てだとわかっているのですが、自分の画力のなさに時につまづいてしまいま す。でも漫画が描けるようになりたいのです。模写から学ぶことは何でしょうか。デッサンから学ぶことや、デフォルメとは何でしょうか。

A:既成作品の模写から学ぶことができるのは、漫画としての表現方法とそのための技術です。また、デッサンをすることで物の形や質感、陰影などの観察力を養い、作画の上で対象の再現度を検証するための経験値を積むことができます。つまり、いわゆるデッサンの狂いなどを検証・修正する力がつくのです。模写・トレースでは作画技術は身につくものの、対象キャラが変わったりデフォルメをかけたりすると、物の形を捉え漫画の中で「再現」する上での応用はあまりききません。しかし、デッサンで得られた、物を輪郭だけではなく総体的かつ立体的に捉える経験は応用性を持ちます。
 デフォルメは「絵画・彫刻などで、対象や素材の自然な形態を意識的・無意識的に変形すること」(『広辞苑』より)ですが、漫画では人間や動物、物体、動きの特徴を強調した誇張表現と言ったほうがわかりやすいでしょう。ただ、現在の若い漫画家や新人は、これまで読んできた漫画や観てきたアニメの「引き出し」をもとにキャラ作りをしていますから、現実のものを自分でデフォルメするよりも、既成作品の中で確立されたデフォルメのスタイルを模倣している方が圧倒的でしょう。ですから、若い漫画家で意識して自分の作品の中でデフォルメをしている方は少ないと思いますね。

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