【質問と解答】
Q:少年漫画家を目指したいと思っていますが、今の私の絵は線がとても太いです。「絵」はどちらかというと中性的ですが、輪郭と言いますか「線」は版画を参考にしています。もちろん意図的にやっている訳ですが、この絵は平面的になりやすいし、なにより嫌いな人が多いのではないかと不安です。幅広い読者に読んでもらうには、好みが分かれにくい絵柄に変えるべきかと思います。私自身はこの絵柄が好きなのですが、絵で嫌われる漫画家は損ですよね。そこでお聞きしたいのですが、このような絵は過半数に嫌われてしまうと思われますか? 担当編集が付くようなレベルじゃないし持ち込みもできないので、プロの方の判断を仰ぐことが難しいです。実物を見ないと判断が難しいでしょうが、どうか考えをお聞かせください。ちなみに話の内容や雑誌のカラーは考えずにお願いします。
A:確かに実際に絵柄を見てみないことには判断のしようがないですね。ですが、あなた自身、不安を覚えているということは、他人にはあまり好かれない絵柄だという自覚があるのではないですか? もしかしたら、友人等に指摘されたことがあるのかもしれませんね。ただ、主流の絵柄でなくても、ストーリーや演出が秀でていてクセのある絵柄さえも味にしてヒット作を生み出しているプロの方もいます。一方で、そういったクセのある絵柄で独自の地位を築くことのできる作家は、漫画家志望者総体の中ではごく少数派であるという現実もあります。ハードルは高くても自分の絵柄と心中するつもりで今の画風を貫き通すか、デビューへのハードルを下げるために絵柄改造に取り組むかはあなた自身が決断すべきことです。
それでも、どうしても編集者の意見を聞きたいならば、どんなに遠くても持ち込みしてください。お住まいがどちらかわかりませんが、仮に沖縄に住んでいても10万もあれば往復の航空運賃と2日程度の宿泊費にはなるはずで(格安チケット使用でビジネスホテル宿泊になるでしょうが)、複数の編集部へ持ち込みして回ることが可能です。自分の将来がかかっていると考えれば用意できない旅費ではないと思います。また、年齢がいくつかわかりませんが、社会人や大学生ならば自分の判断で休暇をとってください。高校生ならばご両親とよく相談して。中学生・小学生でしたら高校生になるまでは我慢しましょう。ただし、受賞して担当がついていないということは、現時点での答えが出ているということでもあります。ですから、旅費だけの成果があるかどうかは疑問です。自分でもわかっているでしょうが、絵柄がまったく受け入れられていないか、受け入れられる余地があるとしても技術的に未熟か、クセのある絵柄でねじ伏せるだけのストーリー性・ドラマ性・演出力が足りないかのどれかを確認するだけの持ち込みになることは覚悟しておいてください。
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