【質問と解答】
Q:私はもうすぐ17歳になる高校1年生です。真剣に少年漫画家を目指していて、できれば在学中にデビューしたいと考えているのですが、高校生という立場から、なかなかマンガだけに全力投球するこ とができずにいます。空いた時間でちまちまと投稿作品を進めてはいるのですが、私の通う高校は商業高校ということもあって、特に課題や検定のための補習が多いことで有名で、学業の合間を縫って描いても、一度に描けるのが少ないし、長い間少しずつ進めるうちに内容が変わりすぎてまとまらなくなってきたり、自分自身がその内容に飽きてしまいペンが進まなくなったりしてしまいます。さらに部活や、画材代のためのバイトもあるので、このままだと学業でもマンガでも中途半端な結果に終わってしまうような気がして不安でなりません。親に相談したら、「学生は学業が本業なのだから、高校を最優先で考えるべき。どうしてもというなら結果を出してから言いなさい」と一蹴されました。高校に行かずに、フリーターとしてバイトをしながら漫画家を目指す人だっているのにと反論したら、「おまえに才能がなくて、漫画家にもなれずに挫折したときは、中卒なんて学歴でこの不景気でどうやって就職するつもりか」と言われました。保険として大学は行けというのが親の主張でした。収入の不安定な漫画家を目指すよりは編集者を目指せともいわれました。でも私は、目指す週刊少年誌の読者の年齢 層に近い今の年齢だからこそ描けるものがあると思うんです。いくつものわらじをはきながらでの片手間でマンガを描いても、いい作品がで きるとは私には思えません。実は私は高校に行くのが好きではなくて、出席日数もぎりぎりなので、親も、 漫画家なんて高校を辞める都合のいい言い訳に過ぎないと考えているみたいですし、私も自信をもって否定できません。でも、大好きなマンガを描くことを仕事にしたいのは事実です。10代のうちにしか描けないマンガもあるんですよね? 本気で早いうちのデビューを目指すのなら、高校はやめるべきでしょうか。また、最終学歴が中卒でも編集者にはなれるものでしょうか。乱文すみません。進級を控えて、投稿作も進まなくて、かなりあせっています。よろしくお願いします。
A:ご両親があなたの将来を心配するのは当然でしょうね。投稿しての具体的な結果もなしに未だ見えてもいない将来のために学校をやめたいと言っても何の説得力もありませんから。今学校をやめてフリーターになったとしても、自活するための仕事をしながらだと思ったほど時間はとれませんし、時間があったらあったで様々な誘惑があります。加えて学生でも社会人でもない宙ぶらりんな状態に置かれる不安感と、一刻も早くデビューしてこの状態から脱しなければならない重圧に耐えていかなければなりません。また、漫画家というのは絵が描けて名乗りさえすれば誰でもなれますが、プロとして食っていくのは才能があっても容易なことではありません。画力も才能もあるのになかなか芽が出ずにプロを辞めた方はたくさんいます。ミュージシャンや芸人、あるいは画家や小説家と同じで、大成するには実力だけでなく運や巡り合わせも必要なのです。ましてあなたは新人賞で上位の賞を受賞してるわけでもないのでしょう? 高校をやめることを考える前に今やれることをやりましょう。まず、部活やバイトを辞めてできるだけ時間を確保しましょう。漫画の画材は楽器やスタジオ代ほど大金を要するわけではないので、小遣いの範疇でまかなうか、足りなければご両親に出世払いということで借りましょう。学校にしてもご両親にしても、学校をやめる覚悟があるならどうにでも話のしようはあるはずで す。また、投稿作品にしても、学業の傍らで可能なページ数の作品を描いて投稿し、具体的な形で結果を出していきましょう。長いページ数でなければ自分の考えるものは描けないというのは言い訳にしか過ぎません。商業誌ではあらかじめ限られたページ数で、自分の表現したいものを表現し読者を楽しませることを求められます。16ページなら16ページなりに、32ページなら32ページなりに、100ページなら100ページなりに題材選びと構成する力が問われるのです。プロを目指すなら自分の今やれる範囲内でのベストを尽くして結果を出すことを考えてください。
また、編集者になる方法は、2005年9月27日と2006年6月8日の質問の回答をご覧ください。ですが、最終学歴が中卒では採用先はありませんし、人気職種ですから就職にあたってはかなり高いハードルがあると思ってください。
その他のご質問は、フォームからお願いします。