【質問と解答】

Q:月刊連載している新人です。いまの連載は営業で獲得したもので、掛け持ちする自信も依頼もないので、それ一本でやっています。他社で打ち合わせなどをすることもありません。しかし、同じ本に載っているほかの漫画家さんたちは皆仕事を掛け持ちしていて、担当からも自分もそうであるかのように思われていました。先日その話題になったときに自分はここ一本ですと答えましたが、出版不況でいつ廃刊になるかわからない中、一本に絞っている自分は編集側からどう見えるのでしょうか? のんきに見えるのか一途に見えるのか、人によるとは思いますが参考に意見を聞かせてください。


A:ストーリー漫画なら月刊連載1本という人は珍しくありません。ショートや4コマだと仕事を増やしてもいいかもしれませんね。いずれにせよ、自分のキャパシティを超えなければ他誌に営業をかけてもかまいませんが、余裕があるなら今持っている連載のクオリティを少しでも上げることを考えたほうがいいです。人気・実力が伴ってくれば、黙っていても他の雑誌から声がかかってくるようになりますし、たとえ雑誌がなくなってもすぐ別の雑誌で仕事をとれます。なお、編集者の本音としては自分の担当作家には他誌では描いてほしくないものです。「〜先生の作品が読めるのはジャンプだけ!」という週刊少年ジャンプの有名なあおりがありますよね。雑誌の掲載作家陣というのは、他誌との差別化を図り雑誌のカラーを出す大きな要素ですので、なるべく雑誌専属であることが望ましいのです。今は複数の雑誌、複数の出版社にまたがって仕事をしている作家さんが多いですから、コミックスは買ってても「この作品ってどの雑誌で連載してたっけ?」となりますよね。専属制度をとっている雑誌は少なくなりましたが、他誌では読めない作家が描いているということがウリになることは変わりありません。

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