【質問と解答】

Q:漫画を描くにあたって、背景のことで思い悩んでいます。背景を描くには自分であたりをとって資料を参考にしながら想像で描くか、 トレース台を使って背景をトレースするということを友人に聞いたのですが、前者の場合では木や土などの質感を出すのが難しく、後者では写真をトレースするだけですが、漫画のコマにサイズが合わなくてどうすればいいか困っています。木々や地面、建造物など様々なものを描かなければいけない背景の、練習の仕 方とコマにあわせたサイズで描く方法を教えてください。


A:コマのサイズに合わせてトレースする場合、パソコンやプリンタを持っていれば、あらかじめ写真をデジタル上で必要なサイズに拡大・縮小してプリントアウトします。パソコンを持っていなければ、コピー機の写真モードで拡大・縮小してください。
　先に描いた背景をコマのサイズに合わせてあとで縮小して使用するのも手です（拡大すると線が汚くなるので推奨できません）。その際、元の背景は線画だけにしておき、トーンワークは使用サイズに縮小コピーしたものに行いましょう。普段から背景カットを描きためておけば、いろいろな作品で必要なときに必要なサイズにして使用できます。こういう背景のことを「バンク」と言い、プロのスタジオでも行われているやり方です。
　物の質感をペンとトーンだけで表現するにはそれなりのコツが必要です。それを学ぶにはプロの現場に入ったり生原稿を見るのが一番ですが、雑誌やコミックスを見るだけでもかなりの技術を盗めます。自分も漫画を描いていれば、「ああ、この質感を出すにはこのトーンを使うのか」「こういう風に削りを入れたりホワイトを入れると効果的なんだな」「影だけでそれらしく表現できるのか」と、いろいろわかるはずです。あとは、それを自分でうまく再現できるように実践を重ねていきましょう。

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