【質問と解答】
Q:以前漫画家志望で東京に住んでいたのですが、数回投稿して賞をとれず、家庭の事情で地方に帰って来て、今は27歳です。しばらく忙しくて漫画が描けなかったのですが、ようやく余裕ができました。年齢的にもう漫画家になる望みはないでしょうか。また、ある新人賞の結果発表を見たら、関東圏の人ばかり5人が受賞していました。新人賞をとるのも地方在住者は不利なのでしょうか。
A:27歳ですか。少女漫画や一部の週刊少年誌では難しいですが、それ以外でしたらまだまだ大丈夫ですよ。青年誌では30歳過ぎての新人賞受賞もあります。とはいえ、年齢があがるにつれ求められる質のハードルは高くなりますから、のんびりもしていられません。
関東圏の受賞者が多いのは、ひとつには投稿数自体が多いからです。もうひとつは、二度目以降の投稿者で担当編集者に直接指導を受けている方や東京近郊でアシスタントをしている方が多いことが挙げられます。地方の方でも担当がついている方はもちろんたくさんいますが、やはり編集部に来て直接ネームや下絵を見ながら打ち合わせるのとファックスを送って電話越しに打ち合わせるのとでは打ち合わせの密度が異なります。また、アシスタントを経験することで技術や作業効率のアップが図れますが、やはり地方では通勤圏内にアシスタントの仕事先が少なく、やりたくてもやれないことが多いです。とはいえ、今はマンガ技術書の刊行点数も多く、ネットでの情報交換もできる時代ですので、関東圏と地方との情報格差はほとんどありません。効率の差こそ多少あっても、個人個人の努力次第で環境のハンデは補うことができます。現に私の所属する雑誌では地方からの投稿者の質が高く、新人賞受賞から連載に至った作家も数多くいます。
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