【質問と解答】

Q:ある大作家先生の漫画家になる指南本の中に「雑誌の受賞狙いや担当について貰う作品を作りたいなら、そういう指導をする」という内容がありまし た。あるいは、別の長年現役の先生も「自分の投稿時代は、雑誌で受ける作品が分かってなかったから受賞が遅かった」と言っていました。受賞狙いの作品というのは一体どんなものですか? 大学のテストのように、雑誌の傾向と対策を練ることで合格確率が高められるのでしょうか? 時には雑誌に居ない人材を求める場合もあるようですが、投稿作品は雑誌の内容に沿うのが好ましいですか? その本質が見えてこない者は、勉強不足でしょうか? 今までは精一杯描くことしか考えられなかったですが、最近そういうことを考えはじめました。この考え方に問題が隠されてないか不安です。


A:漫画雑誌の新人漫画賞は、その雑誌で将来活躍してもらう新人作家の発掘を目的として設けられています。それはつまり、いくら作品としてのレベルが 高くても雑誌での起用が期待できない投稿作は新人漫画賞では評価されないということです。従って、その雑誌の読者にどういう作品が人気があるのか、雑誌が目指す方向性はどういうものかを考えて投稿先を選ぶ必要があります。投稿したい雑誌が先にある場合は、新人賞で上位入賞を狙うにはその雑誌の連載作品の傾向を分析して投稿作品を描かねばなりません。これは大学の受験対策のようにその時だけ乗り越えればいいものではなく、デビューしたあとも常に考えていなければならないことです。雑誌の読者に受ける作品を描く、その意識を持って描いていけるかどうか、編集部が新人を見極める第一の試金石が新人漫画賞なのです。目指す雑誌がメジャー誌であればあるほど、多くの読者を持っている雑誌であればあるほど、その意識を持てるかどうかが受賞のカギになってきます。

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