【質問と解答】
Q:デビューして8年程経ちますが、新たなジャンルに挑戦したいと思い、プロでも投稿可能な雑誌に投稿をし、デビューというチャンスをいただくことができました。今まで8年間商業誌で仕事をしてきましたが、名前が売れているわけでもないので、新たな雑誌での扱いは全くの新人です。
それは投稿前から納得していたのですが、担当さんから「新人のうちは他誌では描かないで下さい」と、予想外のことを言われてしまいました。元々は、ずっとお世話になっている雑誌との仕事もまだありましたし、その雑誌でも描きたかったので、掛け持ちをする気でいました。
新たにお世話になる雑誌では、年に数回の読み切りからのスタートなので、自分ではスケジュール的にも掛け持ちは可能だと思って投稿をしたのですが‥‥。ちなみに、専属契約などはしておりません。他誌には描くなという担当の意向には従うべきなのでしょうか?
A:新しい雑誌の担当さんが、あなたが他誌でプロ活動していることを知っているのか、そうでないかで担当さんの言葉の意味が変わります。
知らないのなら、担当さんの言うことはごくまっとうなことで、プロとしての仕事のペースができるまでは手を広げすぎないほうがいいというアドバイスで、8年間プロ活動をしていることを話せばわかってくれるでしょう。
ですが、プロ活動を知っての発言であれば、他誌で描くことに対して釘を刺したということですね。これに対しては、専属契約を結んでいるわけではないのでしたら編集部の一方的な要求に対し従う義務はありません。漫画家と出版社は労使関係にあるわけではなく、個人事業主と企業との商取引関係ですから。漫画家はどの雑誌で描こうと自由なのです。一方で、編集部側にもまた掲載する漫画家・作品を選ぶ自由があります。つまり、自分のところにだけ描いてくれる漫画家を優遇し、他誌と掛け持ちする漫画家を冷遇する自由もまた編集部にはあるということです。
担当さんも深い意味があっての発言ではないのかもしれませんし、もう一度よく話し合ってみてください。その上で、どうしても前の雑誌と手を切ることを強要してくるようなら、せっかく投稿してデビューまでこぎつけた新しい雑誌ではありますが、縁を切ることも考えに入れておいたほうがいいでしょう。
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