【質問と解答】
Q:担当さんと連絡がつかないことを理由に、他誌の編集さんとコンタクトをとることについてです。
今春大学を卒業し、来年度限定でフリーターをしながら漫画を描ける環境を許されましたので、この一年本気で打ち込んで何らかの成果を挙げたいと考えています。現在、私の第一志望である某月刊誌で担当がついていますが、同じ出版社の週刊誌からも先の雑誌と同じ原稿のコピーを持ち込んだところかなり好感触で、「あっちの雑誌が嫌になったらこっちに見せて」と言っていただくことができました。ちなみにこのとき、その月刊誌の方と週刊誌の方が同期でお互い知り合いであることも分かりました。
本題は月刊誌の担当さんと連絡がつかないことなのですが、そもそも最初からあまり期待されていなかったのかなとも思います。その担当さんに初めてお会いしたときはネームをお見せして、「完成したら自分宛に送って」と言われたので、かなりの時間を空けてしまったものの完成原稿を手に再び持ち込みに行きました。ネームのことは一応記憶していただいていたようです。その時は「また何かあったらご連絡ください」と言われたものの、「新作ネームを見ます」とは言われなかったので、あんまり評価が良くなかったのかと思いました。
それでも後日、ある用件でお電話し、同時にネームが出来ているという旨を伝えたところ、「ネームを送ってくれれば見ますよ」と言っていただけたので、担当としてついていただけたのだなと考えました。しかしその時、ネームを送る際には45P以内がいいと伺ったので、50Pほどに膨れていたそのネームに関しては修正をする必要があるなと思い、すぐには送りませんでした。そして、これが良くなかったのかもしれませんが、それ以降卒業論文に集中する必要があったので、結局電話をしてから2か月強ネームを送れないまま過ぎてしまいました。ちなみにこの間特に催促は受けておりません。
卒論後にネームを郵送し、郵送した旨をメールにて連絡しました。以前、原稿を郵送した際に送ったメールのついでに、作品内容に関することも少し質問したのですが、そのときには翌日に返信をいただきました、しかし今回はそれに対する返信もなかったので、メールの返事は省いて電話で連絡していただけるのかな、と思いました。しかし、1週間を過ぎても一向リアクションがありませんでした。しかも悪いことに、描いているうちから自分でも方向性に自信がなくなってきていたネームだったことで、非常に臆病になってしまって自分から問い合わせもできない有様でした。なので、2週間くらい後に二つ目のネームを郵送し、その連絡メールに一作目のネームの催促の文面を入れるという方法をとりました。しかし、これに対しても何のリアクションもありません。そして、前回と同じパターンで、やはりこちらから電話はできませんでした。
そしてまた更に2週間ちょっと経過した頃に三本目を完成・郵送しました。翌々週に1週間の海外旅行の予定もあったので、そのとき送ったメールでは、「1週間ほど経ったらこちらから連絡させていただきますのでご了承ください」と断っておきました。今回は方向性の時点で自信を喪失するという事態にならぬよう気をつけながら描いたので、相手方からみても黙殺するほどどうしようもない作品ではないであろう、と自分では考えています。そして1週間ほど経ち電話をしたのですが、その日はつかまらず、翌週は旅行でつぶれ、そのまた翌週からまた電話をしました。しかしながら「外出中」「(電話や来客用スペースでの)打ち合わせ中」「打ち合わせに行って今日はそのまま帰宅」などと、全く捕まりません。これは避けられているのでは、などと勘ぐってしまいました。中には編集部員の方に「電話があったことを伝えておく」とか「何時頃には打ち合わせから帰っているのではないか」と言っていただいた場合もあるのですが、それでも連絡がつきません。
電話をかける時間が夕方以降に固まっているというのはありますが、それでも約2週間編集部に電話しつづけて一向に連絡がつかないというこの現状に非常にやきもきしますし、最初からあまり期待をされていなかったり既に見限られていたのだとしても、その担当さんの対応には疑問を抱いてしまいます。それに、一度もネームの講評をいただかないまま見限るのは早計過ぎるとも思います。実際多忙であまり編集部の電話に出られない、ネームを見る時間がない、ということもあるとは思いますが、先述の週刊誌の編集の方に連絡をとろうかとも考えています。その方の方が私の作品に対する評価が高かったようにも思います。
ただ、のちのちのことを考えると、自分の描きたいと思う作品のイメージ(あまり少年向きでない)としては月刊誌のほうが合っているかなという気もしますし、その月刊誌の現担当さんが担当している作品には私も面白いと思う作品が多いのも事実です。それを考えると、今の担当さんにもっと食らいついていくべきか、とも思います。コッソリ週刊誌の方にお願いしても、両編集さんが同期の間柄となるとすぐに伝わってしまいそうですし、「やっぱり月刊がいい」と思っても関係が気まずくてやり直しが利かなくなるのでは、という恐れがあります。それに、自分の初期の行動にも非があったと思い、かなり判断に迷っている状況です。既出の質問と重なるところもありますが、何かアドバイスをいただけないでしょうか。
A:質問文を読む限りでは、今の月刊誌の担当さんは完全にあなたを見切っていると判断せざるを得ません。さらに、ネーム3作送って何のレスポンスも返してこないというのは、人格的にもどうかと思います。どんなに忙しくても、「すぐには読めないので返事が遅れる」と一言電話やメールができないわけがありません。
あなたの取る道は二つあります。ひとつは誘われた週刊誌のほうか、またはまったく別の他誌に持ち込みなり投稿なりし直すことです。この際、週刊誌の方と現担当さんが知り合いであることは考えなくて結構です。あなたを本当に評価してくれるなら、仕事は仕事、友情は友情と割り切って付き合ってもらえるでしょう。それでも関係がぎくしゃくするようでしたら、それはその時にまた考えればいいことです。
もうひとつの道は、あなたがあくまで最初の月刊誌にこだわりがあるなら、別の編集部員の方に担当についてもらうことです。これは勇気がいることですし、仮に成功しても前の担当さんと顔を合わせて気まずい思いをすることを覚悟しなくてはなりません。
方法としては3つあります。ひとつは、編集長もしくはそれに準じる役職の方に直訴することです。これは編集部としてのはっきりした対応を期待できますが、現担当さんの面目をつぶす行為でもありますので、逆恨みされる可能性があります。ふたつめは、投稿志望者のふりをして持ち込みをして応対してくれた編集者に事情を話して担当になってもらうという方法です。一番無難な方法ですが、たまたま応対してくれた編集者があなたを評価してくれるかどうかは賭けになりますし、出版社に行けば現担当さんと顔を合わせることもあるかもしれません。3つめは新人賞に投稿し直すことです。心理的なハードルはもっとも低いですが、現担当さんが身を退いて新担当がついてくれるかどうかは完全に編集部まかせになりますし、結果が出るまで時間がかかります。最悪ノーリアクションということもありえます。ローリスク、ローリターンということですね。いずれにせよ、担当の交代はすんなりいく時は簡単なのですが、こじれるとトラブルメーカーの新人と見なされて編集部と縁を切らざるをえなくなる事態に発展する可能性もあります。ですが、今のままでは状況が進展しないわけですから、ダメ元の覚悟で臨んでみてもいいかもしれません。
(※弊社担当者の不手際で回答が遅れた事をお詫びします)
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