【質問と解答】

Q:こんにちは。デビュー済みの新人の者です。ネットでの、批評や悪口についてです。インターネットの掲示板等での書き込みは、誹謗、中傷がほとんどなのは理解しています。しかしよく「話題にならないことが一番ダメだ」「悪口はそれだけ期待されているということ」というのを聞きます。
 私は批判などはされたことはありません。それならばいいじゃないかと思うのですが、かといって良いと言ってもらえたわけでもなく、自分なりに個性を出したつもりの渾身の作品に何の印象も持たれていないのかと思うと、「本当にこれは誰かに届いているのだろうか」という気持ちになります。悪目立ちでも印象に残るほうがやはりいいのでしょうか。




A:話題にならないことが一番ダメだというのは当たっていて、そういった意味では悪目立ちでも印象に残るような作品のほうが毒にも薬にもならない空気的作品よりはるかに売れます。ただし、そうは言ってもマイナス評価、マイナス印象だけでもまたダメです。
 話題作というのは批判厨(=ネット上で批判や粗探しをする者)が出るものですが、一方で評価する人間がその何十倍、何百倍もいるわけです。ろくに知名度もない作家や作品に悪評だけがたつとますます手に取る人がいなくなるだけです。あえてあざとい題材で読者の目を惹くというのはありですが、読者の期待を裏切る展開で印象を強めようとするなら、それは逆効果です。それに読者に敵意や反感を抱かせるようなパフォーマンスで話題作りをしようなどというのもやめておきましょう。
 あなたのようにネット上の評にモチベーションが左右されてしまう人は、掲示板や漫画ブログを一切見ないことをお奨めします。それらで悪評を見ると自分の作品が全否定されたように感じますが、実際にはせいぜい数名〜数十名の無責任な「感想」にすぎません。あくまでそういう感想もあるという参考材料に冷静に分析できる方なら、それらも読者の意見のひとつとして参考にしていけばいいですが、それをあたかも全読者の総意であるかのように感じて振り回されると作品の方向性そのものを見失ってしまいます。
 雑誌の対象年齢が高くなるとファンレターをもらうことが少なくなるものなので、読者の反応に飢えているのはよくわかります。単行本が10万部以上出ていてもファンレターが年に数通しかこないことはざらですから。担当さんに、読者アンケートのハガキに自分の作品に対する書き込みコメントあったらその部分のコピーを送ってもらうよう頼んだり、サイン会やお茶会などの読者との交流イベントを企画してもらうよう頼んでみてはいかがでしょうか。


その他のご質問は、フォームからお願いします。