【質問と解答】
Q:数年漫画家をやっていますが、自分のキャラクターが自分で理解できなくなってしまいました。よく漫画家さんで長期シリーズをやっていると、「初期と全然違う!」というファンの声を見かける事があり、自分はそうはならないぞと連載を開始して数年‥‥自分がそう言われてしまう立場になってしまいました。こういう時、キャラへの感情移入と理解を深めるにはどうしたらよいのですか?
A:実は、私も最近担当作家のひとりから、自分の作品の主人公が好きになれなくなった、この主人公のいいところはどこなんでしょう、と悩みをぶつけられたことがありました。一種のスランプなのですが、長い連載の中で目の前の展開を追ってばかりいる間に、描いている本人も主人公を見失い、自分の描いている作品が本当に読者にとって面白いのか、主人公には魅力があるのか自信が持てなくなることがあります。私の担当作家の場合は、主人公の目的とその理由、そして目的に向かう感情導線をあらためて分析してみせることで、主人公の行動は時に間違ってはいても読者が納得のいく行動であったこと、そしてその行動が主人公を主人公たらしめている魅力であることを再確認してもらうことができました。あなたも、一度自分の作品を1巻からじっくり読み返して、それぞれのキャラクターの想いと心の動き、キャラクター同士の人間関係の変化を、作品全体を俯瞰して見つめ直してはいかがでしょうか。そして、なによりあなたと一緒に作品を一番近くで見守ってきた担当さんに今の悩みを打ち明けてじっくり話すことをお勧めします。
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