【質問と解答】
Q:少女誌に持ち込みに言った際、オリジナリティがないと言われ困っています。自分では主人公には弱点をつけ、個性をもたせたつもりでした。ストーリーもセオリー通りの「ある男の子が好きな主人公がきっかけがあってその子と結ばれる」と言うような感じにはならないように描いたつもりでしたので、悩んでいます。
A:持ち込みに行って編集者から批評やアドバイスを受けたときに疑問点やわからないことがあれば、今度からはその場で聞くようにしてください。やはり作品を見ていないと具体的なアドバイスはできませんから。
さて、持ち込みを受けた編集者がどういうつもりでオリジナリティがないと言ったかはわかりませんが、そもそもオリジナリティをつけるということは、いたずらに奇をてらったり王道やセオリーを外したりすることとイコールではありません。もちろん安易なステレオタイプのキャラ造形やテンプレエピソードは避けて、自分なりの工夫が必要なのはもちろんですが、今まで誰も読んだことがない設定やストーリーのアイデアなどはそうそう出てくるものではありません。絵柄、テーマに対する切り口、シーンの演出、キャラの台詞など、作品を構成する様々な要素の一つ、ないしはいくつかに作者ならではの持ち味を出せたときに作品に表れるのがその作者の個性であり、オリジナリティでしょう。
このオリジナリティはどうやって生み出せるのかというのが、あなたの一番知りたい点だと思います。人それぞれの考え方があると思いますが、大事なのはこだわりと思い入れ、そして経験だと私は考えます。コマの構図や、キャラのポーズ、アクションといった絵へのこだわり、キャラ属性やストーリーの舞台や題材といった設定へのこだわり、それらには作者の趣味や嗜好が色濃く反映されます。また、キャラや舞台への思い入れは描写に深みを与え、同じタイプのキャラや同じ地方を舞台に描いていても他作品とは一線を画します。また、実体験をもとにしたエピソードは、たとえ同じエピソードであっても体験した人間の受け止め方はひとそれぞれですから、その作者だけの切り口で描くことができます。つまるところ、こだわりも思い入れも経験も「その作者ならでは」のものであり、それを作品に反映していく努力がオリジナリティを生み出す道といえるでしょう。
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