【質問と解答】
Q:持ち込みに関しての質問です。私は今まで同じ雑誌に2回ギャグ漫画を持ち込みをしたことがあります。1度目に持ち込みをした作品は、正直自分でも、絵も話も適当すぎるなと思っていたものでした。しかし見ていただいた編集さんからは「絵は下手だが、最終選考に残るか残らないかの出来」と言われ、新人賞のために原稿も預かってもらえました。結果は選外で、見ていただいた編集さんからは名刺はもらえませんでした。2度目の持ち込み時は別の方に見てもらいました。別の方だった理由は、電話で1度目の方に予約をとろうとしたら、その時編集部にいなかったというのが3回続いたからです。2度目の作品は1度目とは比にならないくらい真面目に描き、新人の持ち込み作品として恥ずかしくないレベルで描き上げたつもりでした。しかし、その時の編集の方は、1ページ目からセリフをほとんど読まずに読み進める方で、講評も酷評でした。また、絵柄もホラーすぎるので変えろと言われました。新人賞に応募したいと言ったのですが、原稿は預かってもらえませんでした。
そこで質問です。
1)持ち込みをした漫画をセリフもほとんど読まず読み進めても、ちゃんと作品を理解していただけているのでしょうか? とくに私の作品はギャグ漫画なので、セリフや前フリなど、読み飛ばしてほしくない部分が沢山あります。友達に見せた時は大丈夫だったのに、その編集さんには登場人物の関係が理解できなかったとも言われました。
2)同じ編集者に持ち込みをする場合、どれくらいの期間ならあけてもいいのでしょうか? 前回の持ち込みが2週間ほど前で、現在、次回作のネームを描いている段階ですが、絵柄を変える練習もしたいし大学の授業との両立もあるので、少なくとも描き終えるのは2〜3か月後になってしまいそうです。名刺ももらっていないのですが、迷惑ではないでしょうか?
3)できれば1度目に見てもらった方に見てもらいたいのですが、その場合1年以上経ってしまっているのですが、見てもらえるでしょうか?
4)デビューできるような漫画家は、デビュー前の作品を酷評されたり粗雑な対応をされたりした人もいるのでしょうか?
A:1)その編集者は漫画の速読ができるのかもしれません。あるいは、絵だけ見て即駄目と判断したのかもしれません。そもそも漫画の描き方そのものがわかっていない漫画素人や雑誌のカラーに合わない作風や画風の持ち込みにも「お客さん」扱いで懇切丁寧に批評や指導をしてくれる編集者もいますが、それを当たり前に思わないでください。持ち込みは無料漫画教室ではなく「売り込み」行為なのです。将来的に自分の雑誌で戦力になる可能性がありと思えば丁寧に見て指導しますし、一方で雑誌には不要とみればぞんざいな扱いをする編集者も中にはいるということです。作者にしてみれば隅々までしっかり読んで評価してほしいと思うのは当然でしょう。ですが、読者の立場に立って考えてみればわかると思いますが、あなたも絵柄が嫌いな作品やコマ割りがごちゃごちゃとして読みづらい漫画を努力してまで読むでしょうか。特に絵柄は作品の第一印象を決めるものなので、そこで拒絶されると内容は読んでもらえません。厳しい言い方になってしまいますが、あなたが持ち込みで当たった編集者は、雑誌の読者に合わせて絵柄であなたの作品を切り捨てた可能性が高いと思います。
2)持ち込みの間隔は問題にしなくて結構です。むしろ、担当でもないのに、ろくに進展がない状態で頻繁に持ち込まれても困ります。
3)大丈夫です。名前だけだと覚えているかどうかわかりませんが、作品を見せれば絵柄が多少変わっていても思い出してくれるはずです。
4)当然いるでしょう。最初からハイレベルの漫画が描けるほうがまれですから(中には1作目で新人賞入賞レベルの作品を描く漫画の天才もいますが)、粗雑な対応はともかく酷評される経験はほとんどの方がしていると思います。それで筆を折るような方は、多少絵が描けて話が作れても、プロとして生き残ることはできません。デビューすれば、ある意味編集者よりもっと厳しい読者の目にさらされるわけですから。
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