【質問と解答】
Q:30歳の飲食店経営、男性です。絵柄についての質問です。投稿歴はまだ1年半ぐらいですが、「好きな絵柄」と
「得意な絵柄」が完全に違うのです。好きな絵柄は学生の頃から流行りだしたいわゆる「萌え系」の絵です。しかし実際に自分が得意なのは「劇画調」の絵なのです。十代、二十代で萌え系でデビューした人は、三十代になってもその流れで萌え系を描き続ける……となるのでしょうが、30歳の志望者となるとどうなのでしょうか。いくら萌え系の絵で投稿しても、同じ萌え系なら若い人に賞をやる、ということになるのでしょうか。ネットのあるページで、30歳を過ぎてからデビューした人のほとんどが内容だけでなく絵柄も個性的、という話が出ていました。私の場合は、初めて劇画調の絵柄で投稿したら、結果はボツでしたが、なぜかポジティブな清々しい気持ちになったのです。俗に言う「何かをつかんだ」からだと思います。人生経験と劇画調という個性に手ごたえをつかんだのですが、やはり華やかで主流になっている「萌え系」への未練が残っています。口惜しいので、萌え系の単行本は全て押し入れにしまってあります。「好きな絵」と「得意な絵」という問題、萌え系の作品なんて若い活きのいい人がたくさん投稿してくるから太刀打ちできないという問題、深刻になっているわけではないのですが、どのように考えたらいいでしょうか。
A:劇画調の絵柄で投稿し、結果はボツであっても何かをつかんで充足感を得たということですから、劇画調の絵柄も決して嫌いなのではないと思います。商業誌への投稿のほうはそちらで継続しつつ、萌え絵のほうはイラスト投稿サイトへ投稿したり、WEBや同人誌で作品を発表してはいかがでしょうか。数多い萌え絵の中で魅力ある個性を放つことができれば、そちらのほうで頭角を現すことができるでしょうし、そうした中で認知されるようになれば30代であっても商業誌から声がかかるようになります。今は萌え絵や萌え系漫画方面の才能があるかどうかは未知数ですから、趣味として発表の場を見つけつつ手探りしていくことをお勧めします。