【質問と解答】

Q:雑誌のメジャー、マイナーについて質問です。デビュー済みですが、今の編集部で担当と軋轢が生じてしまい、漫画制作が全く進まず参っているので、出版社を移るために持ち込みを検討中です。そこで質問です。

1)色々な雑誌を見て回っているのですが「ここはいいな」と思う雑誌がものすごくマイナー雑誌なのです。今の出版社は、そこまで大手ではないですが、一応まだ社員の給料などの待遇は良いようです(ただ、編集部に漫画への熱意が全くありません)。でも、自分が出来るだけ個性を出して描けて、熱意のある担当者さんと一緒に少しでも良い漫画が作りたいので、出版社の大小などあまり気にしないでおこうと思って、色々な編集部を片っ端から当たってみることにしました。ただ、やはり生活はしていかなければいけないので、一般的にマイナー雑誌といわれる雑誌の原稿料とか、コミックスの売れ行きはどれぐらいなのかとか、作家さんはこの雑誌ひとつだけで食べていけているのかなど、そういう内部事情が少しでも知りたいです。知りうる範囲でいいので、マイナー雑誌の作家さんたちはどうやって生計を立てていらっしゃるのか教えてください。

2)色々な編集部に持ち込んで、出来れば新人賞にまわしてもらいたいのですが、一度にたくさんの編集部を回るとなると、原稿はひとつじゃダメでしょうか? 「一番良いな」と思ったところの編集部の方に原稿を預けたい(もちろん、向こうが 賞に誘ってくれればですが)のですが、他の編集部さんとのつながりも、少しは持っておきたいです。ジャンルを問わず回ろうと思うので、出来れば複数原稿を描いて、その雑誌のカラーにあった作品を持っていくべきでしょうか? 一度に同じ原稿で何社も回るというのはいけないことなのでしょうか? また、持ち込みは、担当した編集者の当たりはずれで結果が変わるとも言われ、今まで投稿しかしたことがないので不安です。一度、持ち込みに行ってその担当者さんが どうしても合わないなぁと思ったとき、もう一度同じ編集部に持ち込みにいって別の編集さんに見てもらうことは可能なのでしょうか? 『○○さん以外の人に見てもらいたいのですが‥‥』とか言ったら失礼ですよね。そういう場合は、その編集部はもう諦めるか、投稿という形をとって、気に入ってくれる編集者さんを探したほうが良いのでしょうか?




A:1)新人作家の原稿料については雑誌自体のメジャー、マイナーではなく、出版社によって決まっています。大手出版社だと最初の原稿料は高く、中小出版社だとその半額以下ということもあるようです。具体的な原稿料の金額については、このコーナーで公開するのは色々と差し障りがありますので挙げません。とはいえ、新人扱いされないくらいにキャリアを積めば、他社に移籍しても同じ原稿料が適用されるようになります。また、コミックスの販売部数については、大部数のメジャー誌だとそれだけ作品の宣伝効果が大きかったり、書店への営業力が強かったりというアドバンテージはありますが、マイナー誌からも作品力やプロモーション次第でヒットするコミックスはたくさんあります。つまり、人気作家になれさえすればメジャー誌だろうとマイナー誌だろうと、大手出版社だろうと中小出版社だろうと収入は同じと言ってもいいでしょう。
 さて、新人時代の話に戻りますが、新人時代でも、4コマやショートではなくある程度のページ数の連載であればなんとか一人で食べていくくらいの原稿料は入ります。ショートや不定期掲載だけだとアシスタントやバイトをしながら連載獲得を目指す──という点ではメジャー誌もマイナー誌も同じですね。定期的にコミックスが刊行されて印税が入るようになると、漫画家としてのランク付けがなされ、それによって原稿料が上がってきます。

 2)持ち込みであれば1本の作品を持って複数の編集部を回っても構いません。また、持ち込みで合わない編集者と当たった時は、あなたが書いている判断でいいでしょう。