【質問と解答】
Q:当方連載経験のある新人漫画家です。まだまだ腕が未熟な頃に連載が決まってしまって、かなり芳しくない成績で連載は終わってしまいました。今では技術も付いてきたし、描きたいジャンルもしっかりしてきたので、心機一転他誌に移ろうと思っているのですが、そこで質問です。
1)自分の未熟すぎる単行本を持って営業に行くことが不利に思えてなりません。失敗した漫画はマイナスのイメージから入ってしまいますでしょうか?
2)ならばと新作完成原稿を作成して持ち込むというのはアリでしょうか? しかしその場合それが掲載されるなんてことが有り得るのでしょううか?
3)出来ることなら過去の連載は全てなかったことにして、略歴も隠して名前も変えて再スタートを切りたいのですが、それはアリでしょうか?
4)このような状況で、どう行動を決めれば最善の形で打ち合わせを始められるでしょうか?(持ち込みがいいか投稿がいいか等)
こういう状況の新人さんってどうしてるのだろうといつも疑問に思っています。何でもいいので教えて下さい。
A:1)今の自分を知ってもらう上で過去の単行本を見てもらうことはまったく参考にならない、とあなたが考えるのでしたら、持っていかないほうがいいでしょう。編集者が知りたいのは今のあなたですから。
2)過去の作品を見せない以上、それが営業として一番いい方法です。私が知る作家(新人に限らず)もかなりの方がそうしています。掲載されるかどうかは、出来と相手の雑誌の編成次第でしょうね。エロやBL系の雑誌ならば即掲載されるケースもありますが、一般誌だと増刊の掲載コンペに候補作として加えてもらえればいいほうだと思ってください。
3)問題ないです。担当編集者がついたら、その方と相談してください。ただ、よほど絵柄が変わっているのでなければ、漫画読みの人たちにはバレますよ。
4)志望雑誌をひとつに絞っているのでなければ、持ち込みでいろいろな編集部を回って感触を探ったほうがいいです。デビューした雑誌と同じジャンルの雑誌であれば、編集者もあなたの過去作品を読んでいる可能性が高いです(競合誌の研究は編集者として当然なので)。前歴を隠して本名で持ち込んでも、「もしかして、A誌で『○○○○』を連載していた○○さんじゃない?」と言われるかもしれません。そうなれば、素直に全部打ち明けて相談に乗ってもらいましょう。