【質問と解答】
Q:最近、漫画家先生ご自身によるツイッターやブログでの、「読者アンケートにご協力宜しくお願いします、切実です」などというコメントをよく目にします。正直そういう行為はどうなのかな、と思ってしまうのですが、編集者様サイドからしますとどう感じていらっしゃるのでしょうか。また、そもそも、ツイッターなどが対象読者層にあまり普及していない雑誌なんかでもやっていらっしゃる先生方をお見受けしますと、本当にそれこそどうなのだろうか、とはなはだ疑問に感じてしまうのです。そういうネット社会にうまく取り入って行くのもサービス精神の一つとして今の漫画家に求められるものなのでしょうか。個人の自由だということは分かるのですが。
A:SNSやブログを利用しての作家の個人プロモーション活動というのは、今やメジャー作家でも珍しくはありません。もちろん、編集部でのサイト運営や公式ツイッターなどは大抵の雑誌でやってはいますが、作者個人の生の声のアピール度にはかないません。ツイッターなどで読者アンケートへの協力を呼びかけるのは、それをしない作家に対してフェアではないと感じるのかもしれませんが、そういうツイッターを見て呼びかけに答えてわざわざアンケートハガキを出してくれる方というのは、そもそもその作家のファンでしょう。それに、作家の呼びかけがきっかけでアンケートハガキを送るために雑誌を買ってくれるなら、編集部としてはむしろありがたいことです。そうした自分自身によるファン層を広げたり触れ合ったりする活動も、新しい形のプロとしての有り様だと考えます。一方で、ネットを使っての個人プロモーションに労を割くくらいならその時間を創作活動に費やすという作家さんの姿もまた別のプロ意識でしょう。ですから、編集者としてはどちらの姿勢も肯定しますが、SNSやブログでの不用意な発言は炎上や他の作家さんとの不和など無用のトラブルを招く元になりますので、くれぐれも気を遣ってほしいとは思います。