【質問と解答】
Q:絵柄についての相談です。
私は週刊少年誌で投稿をしている18歳です。先日、担当さんとの打ち合わせを経てネームのGOサインをようやくいただけたので、下書きに移ろうとしています。しかし、絵柄についての問題が浮上してしまいました。私は女ですし、中学を卒業するまでは少女漫画家を目指していたこともあり、絵柄が幼く、目が大きい傾向にあります。高校生になって少年漫画家を目指してからは、自分なりに絵柄を変えようと努力してきたつもりではいます。しかしやはりまだ絵柄に難があるようで、担当さんからは「女の子が描いたいかにもな絵になってるから気をつけて」と何度か指摘をいただいていました。とくに女の子が問題で、売れない少女漫画の絵みたいと評され、この絵のまま下書きしたらマズイよ、と言われてしまいました。そこで、担当さんが私の絵柄に合った、かつ少年誌らしい絵柄の漫画を紹介してくださいました。しばらくその漫画の模写をしたりしていたのですが、やはり絵柄はすぐには変わらず、気を抜くといつもの絵になってしまいます。それに気をつけすぎて、その漫画の絵に近づけすぎてしまうとなんだか自分の絵でないみたいでとても違和感を覚えます。こんな不安定な画風のまま50ページ近くの作画をする自信がないです。だからといってすぐに直せる訳ではありませんし、締め切りまで二か月程であまり時間がありません。どうすればいいでしょうか。それともこれは甘えで、根性でどうにかなるものなのでしょうか。
A:「根性で」というより、積み重ねるしかないですね。他の漫画家の絵に近づけすぎてしまうと違和感があるというのはわかりますが、一度出来ている絵柄を壊して作り直すには必要な過程です。1〜2作描くうちに模倣元の漫画家さんの絵柄とも異なる自分の絵柄になってきますから心配しなくても構いません。今の段階はその漫画家さんの絵に近づけること、絵柄をコピーすることだけを考えてください。そして、絵柄を変えるのがはすぐにできることではないことは担当さんも編集を長くやっている方であればわかっているはずです。納得のいくまで下描きの修正を繰り返し、可能ならば数ページごとに担当さんにもチェックしてもらいましょう。2か月後の新人賞の締め切りを目標にするのはいいですが、絵柄の改造がそれに間に合わなければ、今回は見送って次回の新人賞に間に合わせればいいのです。あなたにとって絵柄が一番の課題であれば、それを改善せずに間に合わせたところで意味はないと考えてください。