【質問と解答】
Q:雑誌の担当編集さんに指導頂いて投稿をしている段階ですが、他の会社でもお仕事を頂いています。とりあえず最初の1年間はそれまでの貯蓄でしのいだのですが、それでも生活が心配なのでアシ、アルバイトなどしつつ漫画の仕事をしています。そこでお聞きしたかったのですが、雑誌のイラストレーターなどの仕事を希望して、某出版社へもちこみを考えています。それが仕事になった場合は自分のスケジュールを担当編集さんに伝えても問題はありませんか? あくまで個人のスケジュールにはなってしまうので、本来なら会社側には関係ないかと思うのですが、生活もあるので把握してもらいたい面もあります。「今週は◯◯社の締め切り日があるので、××社様との締め切り日はこの日でもよろしいでしょうか」とか「この期間は短期アルバイトなどで忙しいので△△の日付にしてもよろしいでしょうか」など。。編集さんは、今は普通に対応してくださっていてありがたい限りなのですが、他社に持ち込みしただけで無視したり態度が悪くなってしまった編集さんもいるとの連載漫画家さんの話もあり、他社の名前を出すとよくないと噂にも聞いています。実際は失礼にあたることなのでしょうか?
A:一社で投稿をしていても他社でイラストの仕事をしていれば、それはもうプロでしょう。その場合、担当編集としてはあなたのスケジュールを把握しておいたほうがやりやすいことは確かです。それに、他社との仕事を隠していたところで世に出ればどうせバレますから、スケジュールを伝えておいたほうがましです。
一方で、一緒に進めている作品のネームや原稿の進行が滞れば、「他のことやってる場合なの?」という感情的なしこりができのは避けられないと思ったほうがいいです。また、担当作家の成長には担当は程度の差はあれ責任感を持つものですが、手間暇かけて指導しているのに他社の仕事にスケジュールが左右されれば「他でもやってるなら自分が目をかけてやる必要ないんじゃない?」と担当意欲が減退することもあるでしょう。相手の立場に立ってみればそれは理解できるのではないでしょうか。あなたが指導される立場でなく一人前のプロ作家として独り立ちしていれば、対等な仕事人としての付き合いになりますから、他社の仕事をしていても感情的なしこりを持たれることは少なくなります(人にもよるので、絶対になくなるとは言いません)。現時点では、担当さんに感情的なしこりを持たれる危険を犯しても他社にイラストの営業活動をしたいというのでなければ、アシスタント仕事にとどめておいたほうが無難です。もしくは、担当さんにイラスト仕事を紹介してもらってはいかがでしょうか。仮に今の雑誌に仕事がなくても、同じ出版社の編集部を紹介してもらいうというのであれば角が立ちませんし、担当さんも自分が紹介した手前スケジュールについても考慮してくれるはずです。