【質問と解答】

Q:キャラクターが思うように決まりません。現在、新人賞に向けて4作目のネームを作成しているのですが、主人公がなかなか決まりません。というのも、このネームが3回ほど全ボツをくらってしまい、次でなんとかまともなものを提出しなければならない状態です。ボツになったネームは色々と至らない点は多いのですが、一言でいえば「主人公のキャラクターが弱い」とのことらしいです。確かに自分でも弱いと感じましたが、一体どのようにすればキャラクターが強くなるのでしょうか。私は過去に二度受賞をさせていただきましたが、その時の評価が両方とも「キャラクターが強い」でした。キャラクターのデザインと過去、性格などを決めると大体自分と相性がいいかなんとなく分かります。過去の二作の主人公も相性が良かったです。なので、「キャラクターが強い=自分と相性が良い」ということなのでしょうが、今回設定は決まったもののどんなデザインや性格にしてもどうにも相性が悪そうです。何度も何度も書き直したり設定を変えたりしているのですが、どうしてもできません。次の締め切りまで時間もなく、主人公が決まらないとネームも切れません。これは自分の中の魅力的なキャラクターの引き出しが尽きてしまったということなのでしょうか? 「自分の相性のいい=自分の好きになれるキャラクター」と思い、趣味を詰め込んだキャラクターを作ってみたりもしましたが、そう単純ではなく、なかなか主人公が自分のものになりません。この場合はひたすら書き出したりするしかないのでしょうか。




A:勘違いしているようですが、キャラが強いということと、自分と相性がいい、自分が好きということはイコールではありません。強いキャラを作るポイントは、個性が明確であることとキャラがぶれないことです。もちろん、作者と相性が良かったり好みだったりするキャラというのは、作者自身が熱を込めて描き込みますから自然とその条件を満たすことが多いのですが。個性を読者に明確に提示するには、登場シーンでその個性を印象づける必要があります。そして、ぶれないことというのは、その個性の演出を作品中で一貫して通すことです。また、キャラの個性には相反する要素を取り入れることでキャラの幅を広げてドラマを盛り上げるものもあります。わかりやすい例を挙げると、「ツンデレ」は「ツン」というキャラの軸を立てておいて、それをぶらさないことで「デレ」というキャラの別の面を出したときにそれをより際立たせます。キャラの別の面や弱点といったものをドラマの展開に則した形で導入できれば、ドラマを盛り上げることができます。
 質問文の内容からして担当編集がついていると思われますので、ネームやキャラについての悩みはまずその担当さんに相談してください。あなたのネームに則した形で、より具体的に指導してくれるはずです。