【質問と解答】

Q:「王道」と「ありきたり」の境目がいまいちわかりません。




A:「王道」という言葉にはいろいろな意味があるのですが、創作における「王道」とは大衆受けするストーリー、万人が期待する展開、読者の大多数に好感を抱かせるキャラクターなどを指します。ですから、うまくはまれば大ヒットにつながります。一方、王道を期待しているところに変化球を投げて外してきて意表をつくストーリーや展開をする作品もあります。そうした作品は、王道に飽きがきた少し漫画通の読者に好まれます。王道が万人受けするものであるならば、それを目指す作品は皆同じような展開になるんじゃないか、ありきたりなものになるんじゃないかと思うかもしれませんが、そうではありません。
 例えば『ONE PIECE』は王道作品の代表的な1作ではありますが、ありきたりな作品とは言わないでしょう。もちろん、王道を目指しながらありきたりに陥った作品は数多くありますし、逆に王道を外して狙ったらありきたりのものになったこともよくあります。つまるところ、ありきたりとそうでないものの差は王道であるか否かは関係なく、読者にオリジナリティを感じさせてくれるか否かにつきます。同じような展開をする作品でも、設定でもキャラクターでも台詞回しでもエピソードの作り方でもその作者ならではの個性を感じさせてくれれば目新しく映りますし、どこかで見たようなキャラクターや設定、エピソードの焼き直しでしかなければありきたりのものにしかなりません。