【質問と解答】

Q:現在女性向け雑誌の月例賞に応募するため原稿を描いているのですが、その際にいつも背景・人物ともにどの程度描き込みをすればいいのか分かりません。また、見開きでページを見た際に、同じ漫画家志望の友人から「白黒の比率が取れていない。なぜあなたはそう極端になってしまうのか? 中間を取ればいいのに何故それがいつも分からないのか」と言われてしまうくらいに白黒のバランス感覚がさっぱり掴めなくて困っています。元々ページ単位ではなくコマ単位で画面を見てしまう癖もあり、これがまたなかなか直らないのです。参考にとお気に入りの漫画や自分と絵柄の傾向の似ていそうな漫画を見てはいるのですが、いざ参考にして描こうとすると、自分の絵にどうやって反映したらいいか分からなくなり、結局友人に相談しながら作業するパターンが多くなってしまいます。このままではいつまで経っても一人で原稿を仕上げることすら出来ないとかなり不安になってしまい、原稿が遅々として進まず悩んでいます。担当さんに絵的なことをちまちま相談するのも流石にどうかと思うので、やはり自分の画風と似ている作品を一度模写するべきなのかと考えてはいるのですが。もし他に描き込みや画面の白黒比率を学ぶ上で有用な練習方法などがありましたら教えて頂けないでしょうか?




A:最初に言っておきますが、担当さんがいるのなら、まずその方に相談すべきです。担当編集者はそのためにいるのです。あなたという作家とあなたの作品を一番良くわかっている担当さんに答えられないことが他の人間にも答えられるはずもないのですから、変な遠慮はしないようにしてください。
 あなたの性格も作風もわからないので一般論としての回答になってしまいますが、主線のペン入れが終わったら仕上げ前に原稿用紙全体を見渡してページごとに(あるいは見開き単位で)仕上げのビジョンを立てることです。そこでまず全体の白黒バランスの設計図を頭の中に創り上げてください。そして、細部のペン入れや仕上げ作業中に時々原稿用紙から距離を置いてページ全体を見渡すようにしましょう。こういう性格だからできない、そういう癖があるから無理だというのはただの甘えですから、自分に対する言い訳に逃げないようにしてください。トーンを貼りすぎたらはがす、細部を描き込みすぎたりベタを入れすぎたらホワイトで塗りつぶす等、数時間の労力が無駄になることを何度か経験すれば嫌でも慎重にならざるを得なくなるでしょう。