【質問と解答】
Q:先日、持ち込みをして気になったことがあり、質問させていただきます。
1)何回も応募しているが一次すら通らないと相談したら、原因はキャラクターの表情が足りず代わりにセリフが多すぎると言われたのですが、それだけで落ちたりするものなのでしょうか?
2)今まで何度か持ち込みをしているのですが、上記とは別の出版社に持ち込みをして初めて絵を完全否定され、戸惑っております。「なぜこんな絵柄を選んで描いているのか理解できない。メジャー誌を目指しているとは思えない。もっと今風の絵にして、ちゃんとトーンも使わないと一生無理だ」と言われました。他誌では「背景を丁寧に。もっと女の子を可愛く」程度だったので戸惑っておりますが、ただ好みが合わない編集者だったのでしょうか? 鵜呑みしないほうが良いのか迷っています。
3)今回4社持ち込みをしたのですが、そのうち3社は評判がとても悪かったのですが、1社でだけ誉めていただき、「作家性があると思います。新人賞近いのでどうですか?」と言われました。他誌では酷評でしたし自分的にも完成原稿を見直すと絵が相当お粗末だとは思います。最初に名刺を貰ったものの担当になるとの話がなかったのですが、こういった場合はどういう意図なのでしょうか?
A:1)要因は他にもたくさんあるのでしょうが、そのうちのひとつとしてすぐに改善できる点を挙げたのでしょうね。
プロではなく投稿者なのですから、欠点があるのは当たり前です。完全無欠、即掲載レベルの投稿作品など5年に1本あればいいほうです。「受賞作発表」として雑誌に掲載することはありますが、あれは新人賞の受賞作品として掲載すること自体を目的としているのであって、商業誌掲載レベルとイコールであることを意味しません。新人賞は、欠点・短所の有無よりも長所があるかどうかを重視します。長所──つまり作家としての武器を持っているかどうか、使いこなしているかどうかが、その作家の将来性を測る上でのポイントになります。一次すら通らないというのは、見るべき長所がないという評価だと考えていいでしょう。長所を作り出すことは一朝一夕にできることではありませんが、欠点・短所を改めるよう留意することは今日からでも可能です。指摘された点を改めながら、自分が何を漫画家として武器にしていけるのかを考え、それを磨いていきましょう。
2)あなたの絵を見ていないので確かなことは言えませんが、ばっさりと端的に言うのとオブラートにくるんでマイルドな言い回しで表現したというだけの違いで同じことを言っているのではないでしょうか。持ち込み者をお客さん扱いで優しく言う編集者もいれば、遠慮なく駄目出しをする編集者もいます。あなたの場合、おそらくキャラクターの絵柄と背景処理の仕方に大きな課題があるのだと思われます。
3)何かしら見所がありそうと判断されたというレベルですね。ただし、漫画の場合、商業誌の入り口に立てるかどうかは絵が高いハードルになります。まずそこを越えられるかどうかを投稿作品で試されていると考えてください。