【質問と解答】

Q:担当さんからの返事が遅れることが多く、困惑しています。二年前に某誌の新人賞を受賞し、何度か読み切りを載せてもらいました。ですが、いつ電話をしても「今は忙しいから明日折り返します」と言われ、そこから二週間放置というのがザラです。「連絡をください」とメールをしても、返信が来るのが一週間後とかです。漫画の業界とは、これが普通なのでしょうか? こちらが電話をしてもいない事がほとんどなので、本当に忙しいのだろうとは思うのですが、日増しに連絡が遅れてきている気がします。現在は、ネームの返事が返ってこず、一か月以上待ちの状態です。担当さんのブログをチェックすると、旅行を楽しんでいる所や日常の楽しそうな様子をアップされていて、ブログを更新する時間があるならどうして返信ひとつくれないのだろうと、虚無感でいっぱいになります。担当を替えてもらうという方法もあるのでしょうが、自分のような新人がそんな事を本当に言っても良いのかとも思ってしまいます。下らないと思われるかも知れませんが、逆恨みされて本当に切られてしまうのではないか、という恐怖心もあります。自分が面白いものを描けてないからこのような対応になるのかとも思います。これまで、ネームを訂正されたことはほとんどないのですが、それすら「自分の漫画に興味がないから直しもないのかもしれない」、とも思ってしまいます。これは、見捨てられたものとみなして良いのでしょうか。



A:質問文の内容を拝見する限りでは、かなりひどい扱いですね。もちろん、漫画の業界でそれが普通だったりはしません。いくら忙しくても、あなたのほうから頻繁に電話やメールをしているわけですから、いつ返事ができるかくらいは返すのが当たり前でしょう。あなたの危惧するとおり、担当さんはあなたにあまり興味を抱いていないと考えて良さそうです。ことによると、漫画の編集という業務自体に興味がないのかもしれません。大手出版社では、ジャーナリストや文芸志望なのに人事異動で畑違いのコミック部門に配属されることがあります。大抵は自分の資質や知識を別部門で生かして成果を上げるべく努力するものですが、中には新部署に馴染めないままの人間もいるでしょう。運悪くそういう編集に当たってしまったのかもしれません。担当替えを願い出て切られることを恐れてるのはわかりますが、いまのままだと漫画家としての成長の時期に無駄に年月を費やすことにもなりかねません。担当さんと連絡がついた時に喧嘩腰にならず、「○○さんはなかなか連絡がとれないくらいお忙しいようですから、編集部の他の方に担当を変わっていただくことはできないでしょうか」的な内容を皮肉っぽい口調にならないように気をつけて切り出してはいかがでしょうか。最悪その編集部で切られることになっても、今の担当さんについたままでいるよりは他の編集部でやり直したほうがいいのではないかと考えます。