【質問と解答】
Q:僕は漫画を投稿または持ち込みをしようと思ってるのですが、編集者が投稿や持ち込みで、漫画の原稿を見るときはどこを見てこの原稿は連載できるできないを判断してるんですか? 漫画編集者が見るポイントなどはあるのでしょうか?
A:A:漫画雑誌の編集者が投稿作品や持ち込み作品を見る場合、大きく分けて2つの視点で評価します。それは、この漫画家志望者はプロとしてやっていける資質があるかどうかと、この雑誌に向いているかどうか(将来的な戦力になりうるかどうか)です。そのポイントは分類次第ではもっと詳細なものになりますが、大別して以下の4点を挙げておきます。
1)一定の基礎技術があるかどうか
まずプロを目指すための最低限の基礎技術があるかどうかです。アシスタントに入れたくても入れないレベルだと、ストーリーやキャラ云々以前の話です。プロを目指す意識を持っているなら、まずは独学で漫画制作の最低限の知識と技術は身につけておいてほしいものです。「最低限」というとおり、多くを望むわけではありません。ただ、効果線がまともに引けていない、原稿のサイズが違う、原稿の左右やタチキリの意識なし、トーンもホワイトも知らない、キャラの主線は継ぎ足しだらけ、背景は適当でパースの狂いもおかまいなし──などという原稿はさすがに目を通す気にもなれません。
2)絵柄に魅力があるかどうか
上手い下手ではありません。もちろん上手いに越したことはないのですが、若いうちなら今は下手でも執筆を積み重ねることで上手くなるでしょう。下手でも読み手を惹きつける絵柄であれば、将来性を期待して評価します。逆に技術的があっても魅力がない絵柄であれば、アシスタント要員としての需要しかありません。もっとも、この絵柄の評価は編集部によって異なります。どの編集者も自分の雑誌の読者層を想定して判断基準を設けているためです。
3)丁寧に仕上げをしているかどうか
トーンをきちんとズレなく貼っているか、線のはみ出しを放置していないか、枠線をきちんと引いているか等です。こういった原稿に対する当たり前の気配りができていない原稿を投稿してきたり持ち込んできたりする方はプロを目指す意識が低いと判断します。お金がない、時間がなかった等の理由でトーンが足りていなかったり、背景が十分書き込まれていない「未完成」の原稿で投稿や持ち込みしてくる方も同様です。雑な方はプロ漫画には向かないと考えてください。
4)読者の目を意識しているかどうか
プロの漫画家を目指す以上は、多くの読者に読んでもらえる作品作りをしなければなりませんが、そのためにはまず前提として読者に内容をわかりやすく伝えることが必要です。コマ割りにおけるコマの流れ、キャラの配置や向き、フキダシの位置、絵と台詞の内容とその情報量──そうした漫画制作における技術はすべて読者にわかりやすくするための工夫なのです。あなたも、漫画を読んでいてこの作品読みにくいなとか、会話が噛み合ってないなあとか、このコマと次のコマどう繋がっているのかなと思ったことはありませんか。ネームを切ったら一度意識をリセットして読者の目で推敲してみるといいでしょう。また、読者の目を意識するといえば、サービスシーンですね。サービスシーンといってもお色気シーンばかりではありません。ストーリーの本筋だけではなく、読者を楽しませるエピソードやカットをちりばめてキャラの魅力を増し増しにするサービス精神を持っている方はプロ向きといえるでしょう。
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