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【質問と解答】
Q:デビュー済み、連載が決まっている新人です。最近、同人誌即売会に出ると編集者の方に名刺を頂く機会が増えました。とても有り難いのですが、気になることがあります。それは、その編集の方々が私の漫画にさほど興味がなさそうに見えることです。というのも、その場で名刺を頂き後日メールなどをいただくと、漫画の感想が「面白かった」や「キャラが格好いい」という2〜3行だったり(けれど「うちでも描きませんか?」とも書かれています) 、即売会のその場で「興味があれば連絡をください」と言われたりと、自分の漫画のどこを気に入り声をかけてくださったのか全く分かりません。褒めて欲しいという意味ではなく、自分を誘ってくださった理由や熱意が感じられないのでお誘いを受けるのが不安なのです。私がこれまでご一緒させて頂いた編集の方は、皆さん「ここが良い」とハッキリ仰って誘ってくださる方ばかりでしたので、困惑しています。また、前者の方々は、私が他誌でデビュー済みであるとご存知のようでした。そこで質問なのですが、商業経験の有無でスカウト時の対応は変わるものなのでしょうか? それとも、仕事である以上これぐらい淡白なのが普通なのでしょうか? また、私は声をかけて頂いた際には、お断りする場合でもその雑誌を読み、返事のメールに感想も添えるようにしています。何も見ずにお断りするのは失礼だと考えているからなのですが、これまで相手方からの返信でそのことに触れられたことがありません。もしかして、これは失礼に当たる行為だったのでしょうか? 今は連載があるので全てお断りしていますが、今後他誌に移る可能性もある為、お聞きしておきたいと思いました。
A:商業経験の有無でスカウト時の対応が変わることはありますが、それはプロ相手だからビジネスライクに淡白に交渉するということではありません。他誌からの引き抜きですから、むしろより積極的なアプローチになります。とはいえ、商業誌デビューしていないからといって、アプローチをおざなりにするわけではありません。ただ、同人誌即売会という場だと、数撃ちゃ当たるというばかりに一定水準以上の画力を持つ方に片っ端から声をかける編集者はいます。また、そうでなくても、即売会の場やメールではあまりゆっくり語れないということも確かにあります。相手の雑誌に少しでも興味があるなら、後日一対一の場で会ってゆっくり話を聞いてみるといいでしょう。そこでもやはり熱意が感じられないようでしたら断ればいいですし、印象が変われば担当編集者として付き合えばいいでしょう。こうした出会いは恋愛と同じです。第一印象通りのこともあれば、その逆もあり得ます。熱意があると見えたのが単に口上手なだけで誠意がなかったり、興味がなさそうに思えたのが単に営業慣れしておらず口下手なだけだったりもします。引く手数多なら第一印象でふるいにかけてもいいですが、出会いを求めるなら一度ゆっくり会って話すことをお勧めします。
雑誌への感想をいただくのはむしろ編集者にとってありがたいことです。いちおう、少しでも雑誌への執筆の可能性を検討していただいたということですから。相手からの返信でそれに触れていない理由はわかりません。断られたショックで、そのことに気を回す余裕がなかったのかもしれませんね。