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【質問と解答】
Q:読み切りのネームを担当編集に提出して1か月が経過しました。打ち合わせていた頃から、掲載雑誌との作風の違いを指摘されていたこともあり、ネーム提出時も「編集会議にかけてみるけどOKが出るかどうかはわからない。2~3週間待って欲しい」と言われました。その後1週間程待ったあと、先方から「連載してみたい企画があるのでよければ話を進めたい。読み切りの件はまだ会議に出していない」というメールとともに企画書が送られて来ました。嬉しい話ではありましたが、持ちかけられた企画が自分の作風とかなり違っていたこと、できれば自分の作品を描きたかったことから、企画書に目を通した際の簡単な感想を添えて「読み切りの審査の結果が出てから、その時の状況を見てお返事させてください」という内容の返信をしました。約束の3週間が過ぎても読み切りの件について報告がないので、「状況はどうなっていますか、動きがありましたら教えてください」と聞いたところ、「再来週には返事をする」と言われました。今までの経緯から、薄々その読み切りは望み薄なのだろうなと思っているのですが、この上さらに半月近く返事待ちの状態が続くとなると精神的に辛いです。その読み切りが「単純につまらない」から通らないのであれば新しいものを作ろうとも思います。でも、「雑誌に合わない」という理由であれば、せっかく作ったネームですし、待機している半月ももったいないので、原稿にして他誌に持ち込もうかとも思います。ちなみに、アマチュアの友人数人に見せたところ、「面白いと思う」と言われました。担当さんには「あなたの感性は雑誌には少し合わないけど、それがかえって武器になるかも。今雑誌には同じような連載作品が多いので、あなたの感性のような新しい角度のものにもチャレンジしたい」と言われています。今まではその言葉を信じて描いてきましたが、レスポンスの遅さも相まって、それが本当に担当さんの本心なのか、単にあしらわれているだけなのかがわからなくなりました。送付されてきた企画書が、自分の作風とはかなり違うものだったということも不信に拍車をかけました。こうした態度を取られるとき、編集者の方はその新人のことをどう評価していると言えるのでしょうか? またそのようにして、その雑誌でOKが出るかどうかわからないネームを、他社に持ち込むことも想定して原稿化を始めることはアリだと思われますか?
A:まず、編集会議にかけるといってネームを預かりながら何週間も放置している担当さんの意図がわかりません。担当さんの本音が仮に「あなたの感性は雑誌には少し合わないけど、それがかえって武器になるかも」というものであったとしても、どうせ編集会議に出しても今の編集部の体制では通らないとあきらめて提出しないのであれば、作家に対して不実と言うべきでしょう。担当さんと腹を割って話すことができるなら、担当さんの意図はどこにあるのか、自分をどういう形で雑誌に起用していこうと考えているのか答えをちゃんと聞き出してください。担当さんがあなたの感性が武器になると考えていながら今は編集長にそれを納得させられないので、企画もので実績を作ってから本来の作風でオリジナル企画を提出しようと考えているとか、なんらかの答えを引き出せればあとはあなたがそれに納得できるかどうかです。そこで納得ができないなら、あるいはそもそも担当さんとちゃんとした話ができないのであれば、今の雑誌に見切りをつけて他誌への持ち込みを考えていいでしょう。現状、読み切りの結果待ちの時間がもったいないと考えるのなら、作画に入って全然構いません。掲載が決まればそれはそれでいいですし、ネームが通らなければその原稿で他誌に投稿や持ち込みをしてもいいですから、無駄になることはありません。ただ、担当さんと打ち合わせして作ったネームなら、他誌への投稿前に一言断っておくべきでしょうね。また、他誌に投稿するということは移籍や雑誌掛け持ちを念頭に置いてのアクションだということは認識しておいてください。