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新人マンガ家相談室

【質問と解答】

Q:最初は楽しく漫画を描いていたのですが、小さな事が積み重なって、最近自信をなくしてる者です。デビューして数年、単行本を2冊出しましたが、結果は業界内でも最低ラインの部数でした。アンケートや手紙やSNS等で感想を貰ったことがなく、ネットレビューも普通からそれ以下の評価です。雑誌でも、カラー付きはもちろん、真ん中より前に掲載されたことはなく、後でデビューした人に次々追い越され、ついには電子に異動してしまいました。自分には漫画しかないので、最初は気にしないよう、失敗を次に生かそう、次は結果を出そうと描いてきました。が、結果が出るたびむしろ悪い方向へ進んだため、自信が擦り切れて筆が進まなくなってきました。プロットの段階で何を書いても面白くなく感じてしまい、書いては捨てのループが半年近く続いています。担当から「そろそろ次のプロットを」との連絡があったのでなんとか完成させたものの、正直また結果は出せないだろうなと落ち込んでいます。担当編集には描けば通るという状態なので、好き勝手描かせて貰っているのですが、それで結果が出てないとなると100%自分の実力のなさのせいと痛感しています。読者に求められてないものを書いていて意味があるのか、やめた方がいいのか、アマチュアに戻って修業を積んで出直すべきか等、逃げの思考になります。こんな私に喝を入れてください。

A:今のあなたがすべきことは。まず、初心に返ることです。漫画を描き始めた頃、何を思って描いていたのか、読者に何を届けたかったのか──そうした漫画への情熱と衝動、そして表現への意欲を思い起こしましょう。人気のために読者の顔色を伺うような作品作りをしていれば、そうした思いを曲げることになり、描いていても自分の作品に自信が持てないでしょうし、読者の心にも届きません。一方で、なぜ結果を出せなかったのか、過去作品の分析をしっかりしましょう。「描けば通る」という担当さんだと不安ですが、本来担当編集者と共に行うべきことです。分析の結果次第では、絵柄や作風の改変も考慮に入れる必要があります。また、作品の発表舞台(雑誌)を変えることで作品評価が変わったり、新しい編集と組むことで新境地を開いたりすることもあります。他誌への持ち込みも検討してみると良いでしょう。仮に採用されなくても、少なくとも今の担当さんとは違った別の視点での指摘や再評価をしてもらえますので、作品作りの改善のヒントがつかめるかもしれませんよ。