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【質問と解答】
Q:16ページ漫画を初めて描こうと思うのですが、16ページ漫画は描きたいワンシーンを中心に後は付け足していく感じですか? 「承」を抜かして「起、転、結」で描く感じでしょうか? ファンタジーは説明にページ数が必要になるので短編には向いてないでしょうか? どんなストーリーが16ページで収まるのか調べてもわかりませんでした。雑誌で探しても16ページ漫画は見かけないので参考にできないのです。
A:「『承』を抜かして~」と言っている時点で起承転結の物語構成を理解していないことがわかります。「承」はストーリーの展開部分なので、これがないとストーリー漫画として成り立ちません。まず、起承転結の脚本構成を学び直してください。読み切りなら、16Pだろうが、32Pだろうが、あるいはもっと長いページだろうが、構成は変わりません。長ければそれだけエピソード数が増やせますし、その分登場人物数も増やせるというだけです。確かに壮大なストーリーを描こうとすればエピソード数や登場人物の人数も多いですが、ストーリー構成は16P漫画と基本は変わりません。最初に16P漫画でストーリー構成の訓練をしておけば、長いページの作品の構成をする際にも応用が利きます。また、起承転結の構成は日本では一般的ですが、海外では三幕構成が基本となっています。三幕構成の三幕は、起承転結のうちの3つなどではありませんので、注意しましょう。起承転結と三幕構成については過去の回答を検索してください。もっと詳細に知りたければ脚本術の本を読んで勉強することです。余談ですが、なぜ16Pが基本となっているかというと、製本が16Pを1折とする単位でなされるからです。1折分が16P、1折半で24P、2折で32P、2折半で40P‥‥というふうに、製本の折数が漫画作品の基本ページ数になっているわけです。
また、16Pだろうとファンタジーやミステリーに向かないということはありません。ただし、ファンタジーでも設定紹介のエピソードにページを要したりするものは16Pには収まらないですから、設定そのものをもっと絞り込む必要があります。ミステリーでも容疑者が10人もいる話であれば容疑者一人一人を掘り下げることはできませんから、登場人物数を絞るべく設定そのものを見直す必要があるでしょう。要はストーリーのジャンルや内容ではなく、設定とキャラクター数をページ数に合わせて作るということです。