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新人マンガ家相談室

【質問と解答】

Q:私は、読んで好きなものと描きたいものの不一致がよくあります。読んで好きな漫画はよくある王道な話で、描きたいものというのは自分の漫画だからこそ味わえる面白さを持っているものです。普段は後者の漫画を描いてますが、時々前者の漫画を描きたくなります。ただ、話を考えても、後者の漫画を作ってる時と比べて物足りなさを感じて納得いかない部分が出てしまい、最後はやはり後者の作品になるという流れになります。なんとなくですが、私は今後も自分の中で描く価値があるのは後者の漫画だと思いますが、同時に読んで好きな王道漫画が描けないジレンマもあります。そちらは趣味で描けばいいと思われるかもしれませんが、漫画にするのさえ面倒と思ってしまうので、上手く息抜きができません。上手く息抜きする方法を何かアドバイスください。

A:読んで好きな王道漫画を誰に強制されるわけでもなく「描こう」としている時点でそれは「描きたいもの」になっているのですから、そもそも息抜きを考えること自体おかしなことです。要するに、今まで「描きたいもの」として描いてきた作品群と作風やアプローチが違うために、勝手が違ってうまく創れない表現できないというのが本当のところでしょう。今のあなたのスタイルがどういうものかわかりませんが、可能ならそのスタイルの中に王道要素を組み込むか王道漫画の枠の中で自分の創作スタイルを生かしていくのが早道でしょう。そういう折衷がきかず、スタイルが相反するものであれば、一から自分流の王道漫画を見つけていかなければなりません。好きな王道漫画を分析し、自分が好きになった要素をとことん突き詰めてオリジナルのスタイルを見出し、同時に自分が読み手ではなく描き手として読者に届けたい魅せたい世界観を形にして、あなただけの王道漫画を楽しんで創ってください。