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【質問と解答】
Q:主人公について質問なのですが、私は主人公が悩んでいる姿を描きたいという気持ちと描きたくないという気持ちがあって、その折衷案が浮かびません。悩んでいる姿を描きたいのは感情移入したいからです。描きたくないのは「ヒーロー」を描きたいからです。私にとってのヒーロー像は苦悩しない、達観しているようなキャラクターなのです。でもそれだと感情移入できませんよね? 読者に感情移入させつつも苦悩しない主人公がいれば参考までに教えてください。
A:苦悩がまったくない人間というのはいませんが、周囲に苦悩している姿を見せない、あるいはそうしたシーンをあえて描かないヒーローキャラクターはいますね。たとえば、『ドラゴンボール」の悟空や『ONE PIECE』のルフィなどは基本的に明るく前向きな面しか見せませんし、クール系のキャラクターを主人公にした作品もたくさんあります。主人公がヒーローとして「戦う理由」「行動する理由」が明確であれば、読者の共感は得られます。行動原理が読者に明確に提示されているキャラクターであれば、苦悩しない、迷いがないことは意志の強さを表すことになりますし、それはすなわり「ヒーロー性」の強さともなりうるでしょう。