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【質問と解答】
Q:1)青年誌で読み切りを中心に漫画を描いている28歳の新人です。今、複数の出版社とお仕事をさせていただいているのですが、1社で1年かけて作っていた企画が没になりました。ネームの出来は良かったのですがタイミングが悪かったとのことで、いつか使えるというお話もなくお蔵入りになったのです。個人的に1年間相当勉強してきたということもあり、描きたい気持ちがあります。別の出版社にその没になった企画を見せることはよくないでしょうか?
2)読み切りと連載では作る技術が全然違うと師匠の先生がおっしゃっていたのですが、読み切りばかり描いていては成長しないのでしょうか? しばらくネームだけのニート状態になってでも、読み切り仕事をいったんストップして、1年くらい連載を目指したほうがいいのでしょうか?
A:1)没になったわけですから、そのネームを他社に持っていくことは問題ありません。ただ、担当さんと打ち合わせて作ったネームならば、事前に担当さんに断るべきでしょうね。
2)その先生はあえて極端な言い方をしたのでしょうが、「全然」違うというのは言い過ぎ感があります。確かに読み切りと連載とでは作り方が異なる部分もありますが、漫画作品として求められる共通部分も多いですから。それを言えば、毎週次週への引きを作って駆け抜ける週刊のストーリー漫画連載と、大きな流れでの引きは持たせながらも1話ごとに読み応えのあるドラマ構成を求められる月刊のストーリー連載とでも作り方は異なります。読み切りで培われた技術と経験は連載でも生きてきますので、その点は心配する必要はありません。もっとも、連載企画の持ち込みは年齢的にもそろそろ考えていいと思いますが、1年間読み切り仕事をストップして収入のほうは大丈夫なのでしょうか。そして、あなたの編集部内での評価はよくわかりませんが、毎年次々と新人がでてくる中、1年のブランクを経てあなたの枠があるのでしょうか。各出版社の担当編集の方とよく相談して、出来ることなら読み切りを描きながら連載企画も並行して進めるというやり方をとるようにしてはいかがでしょうか。